内容説明
一度、食べたらやめられない。ダブル・スーパー作家の乱れ撃ちジャンキー・トーク。
目次
1 なにもしてない馬鹿女の修業時代
2 もの言う太鼓のように
3 ペシミズムと快楽と
4 そして長電話は続く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
7
図書館にて。タイトルからは分かりにくいが、松浦と笙野の対談本である。刊行年は1994年で、収録の対談は笙野が三島賞・芥川賞を受ける前後のもの▲笙野はホラー漫画は読んでいると語っており、本書の記述ではなく、「だいにっほん」3部作だが、村崎百郎や神田森莉と名前があった。笙野が「論争」系作品に導入しているきったねえ表現(何と言えばいいか、血膿みたいなと言えばいいか)は確かに村崎や神田を思い浮かべるとしっくり来る箇所はあるなァ…。2023/06/09
踊る猫
5
笙野頼子氏を熱心に読んでいるからなのか、松浦理英子氏との対談集である本書も笙野氏の方の発言を主に読むという形になってしまった。松浦氏の著作も不勉強にして読めていないのでこれから読んで行くつもりだが、やはりというか笙野氏の方がパワフルで、意外な印象を与えるかもしれないけれどロジカルで愚直に圧して行くという、そんな感じを受ける。松浦氏は戸惑いながらも誠実にその笙野氏の投げて来る球を打ち返しているという感じ。これは『親指Pの修業時代』を読まないといけないなと思ったりもした。さり気なく吉田知子氏の名が出て来る……2016/04/13
rinakko
2
再読。2019/11/25
Ichiro Toda
1
笙野頼子と松浦理英子の対談集。古本屋でたまたま手に取ったが、なかなか面白かった。時代背景もあるのだろうが、女性が作家になることについて深く考察されているのではないかと思った。世の中が女性作家に求めていることと書きたいことの違いについて、強くはねつけている二人ではあるが、そういうことを対談の中で語るほどには気にされるトピックだったのだろうと思うと、本日の女性作家の作風の多様性が当たり前のものではなかったことに気付かされる。二人の作品に言及されている箇所もあり、興味深い作品だと思う。2016/12/06
なめこ
1
笙野頼子と松浦理英子という、その組み合わせを聞いただけでもくらくらしそうになるすてきな本ですが、内容も文学やフェミニズムに対する両作家の対談当時の思いを知ることができるうえに二人の交友録としても楽しめるという充実ぶり。私は松浦さんのファン?なので、やはり「私はこの通俗的な見かけで世間をたばかっている」発言や、彼女の「隠されたやおい小説」が気になりました。ほんとうに魅力的な作家です。松浦さんも、もちろん笙野さんも。2013/10/25