雷電本紀

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雷電本紀

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  • サイズ B6判/ページ数 435p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309009162
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

天明、寛政、化政期、彗星のごとく現われた馬ヅラの巨人が相撲をかえた。魔物のように相手に躍りかかり、全力で打ちのめす、その姿に、悪政と飢饉にあえぐ民は、自らの運命を託した―稀代の相撲人・雷電為右衛門の数奇な運命とその時代を、後援者・助五郎との交わりを軸に壮大な構想力と考証をもとにはじめて描破した書き下ろし長篇小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さつき

34
江戸時代の相撲人の物語。浅間山の噴火は知っていましたし、鬼押出しにも行ったことがありますが、噴火によってこんなにも人々が苦しめられていたとは。溶岩や降灰などの物理的な害以外に、不作による高騰を見込んで米麦の買い占めもあったとは。いつの時代も庶民が一番苦しいのですね。そして、その庶民の中でも体格や怪力で異形の存在として世間から浮き上がってしまう相撲人たち。変わったもの、珍しい人を流行っているうちはもてはやすが、ひとたび情勢が変わると爪弾きにする風潮は現在もありますが、悲しい気持ちになりました。2016/05/25

ゆりあす62

33
図書館本。★★★★☆2016/08/21

目玉おやじ

11
はぁ~、どすこい、どすこい。民として生まれ、民の中に生きる雷電為右衛門。史上最強と謳われる伝説の相撲取り、雷電の目線の低いこと、低いこと。勝って驕らず。雷電が大火の火事跡で赤子を抱く。病魔を祓い、丈夫に育つよう願う。雷電が飢饉と疫病に打ち沈む寒村で土俵入りをする。四股を踏む。災厄を打ち祓い、五穀豊穣を願う。圧巻である。雷電が豪快に投げ飛ばしたのは、時代の闇ではなかったのか?う~ん、これが相撲の本来あるべき姿だよなぁ~。昨今の相撲界の騒動をみていると、見当違いの議論に終始しているように感じられる…。2010/03/21

はる

7
雷電の人となりと強さ、魅力を堪能しました。後援者の助五郎の商才、行動力、優しさ・・・も印象的。なのでラストはツラかったです T_T かなりのヴォリュームの上、内容が時間的に前後したりするので読み終わるまで悪戦苦闘?でしたが、当時の相撲の様子もわかりとても楽しめました。^^2012/07/28

そうたそ

6
★★★☆☆ この作者のスタイルというのは、地の文で全てやってのけよう、という感じがする。極端に会話文の少ない文章で、情況描写やら何やらは全て地の文だ。このスタイルを一貫しようとすれば、作者に相応の技量がなければできないはずで、純粋に賞賛に値すると思う。だが、どうしても説明的な文章にならざるを得ない側面もあり、ストーリーとしての面白みに欠けるのではないかとも思う。雷電の迫力、凄まじさはよくよく理解できた。その人となりもよく分かる。だが、それだけではただの評伝に過ぎない。ストーリーとしての面白さが欲しかった。2013/01/29

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