内容説明
ペニスを残したま豊胸し、〈シーメール〉となった少年たち。性の孤独と調教される肉体の果てを描き、全選考委員を凍りつかせた衝撃の書。第30回文芸賞佳作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リッツ
32
男女ともに愛され受け入れる美しい若者って設定好きでした、その昔。近年のやたら具体的描写に『…それは望んでない』と遠ざかっていましたが、これは良かったです。求められるままに全て受け入れ変わっていく彼、というところよりノスタルジックな雰囲気と、例えばシーツの肌触り、空気の匂いみたいなものがこちらに直に感じられそれがまた官能的でした。そして同じ世界のマサミには具体的な望みも現実を生きようとする気持があるのに彼は何も求めない。彼の履き忘れた片方の靴とは…すごく分かる気がしたが決して他の者には分からないかも。2018/08/20
Toshi
6
著者のデビュー作。相手の要求を断らない少年ヒカル。体を売り、調教され、シーメールとなり・・・思ってたより良かったです。ただ頻繁に出てくるハードなアナルセックスの描写はさすがにつらかった。 2016/09/25
hubble
4
主人公ヒカルと、年齢性別人種を超えた倒錯したセックスの話。ヒカルも狂っているけど、ヒカルに魅かれる人も狂っている。ストレートに言えば、私はヒカルとはヤりたくない。 と言いつつ、休み時間の職場で、満員電車の中で、昼下がりのカフェでこれを読める私も倒錯した人間なのかもしれない。 しかし、こんな変態的作品を人前で読んでても誰も気付かないって読書ヤバイなw2019/11/23
Mayumi_M
2
全篇一貫した変態さんいらっしゃい級セックスワールドなのに、その中心にある濃密なほどの虚無感はまさにバブル。"ダッツン"という呼称が懐かし過ぎてときめきつつ、毛深いヒムロって嫌だなァ、と。#BOØWY世代2022/09/27
月と星
2
★★★終始気持ち悪かった。2週間も満足な食事なしで生きられるのだろうか。『覚えている限り,僕は今日まで,怖いと思ったことは一度もない。』2021/04/14