内容説明
放課後の美術室。彼女の遠い声。高校生活最後の日々…。青春のせつない一瞬を奏でる音符たち。第29回文芸賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねなにょ
3
私と彼と彼女の高校生活最後の一年。あいまいな三角関係。静かでやわらかな光に包まれた時間。大人になる前の最後の空間。自分も確かにそこにいた懐かしさ。でも、この3人、高校3年生にしては、かなり大人びているような気も…2015/02/01
サラ
3
詩のような雰囲気。白い光と澄んだ空気に包まれた、少し切ない作品。2011/01/25
遠い日
2
静謐な心象風景のような物語。高校3年生の、私、彼女、彼の3人のゆるいトライアングルが、硬質な文体で季節の巡りとともに語られる。三浦さんが描く、放課後の美術室、音楽室。グラウンドに落ちる光と、動く影。階段がつくる陰影。それらが、遠い日の記憶に重なり、奇妙な感覚に囚われながら読んだ。私と彼女と彼の間に流れる、ある種の共感。同じ種類の人間であることを嗅ぎ取っている者どうしの共犯者めいた感覚が交差するおもしろさ。そして、誰かの記憶に留まった、高校3年生のままの私がいるだろうことに、不思議な感慨を覚えた。2004/10/09
マルシェ
1
高校3年生の頃図書館で読みました。図書館、美術室、音楽室・・・専門的な教室には思い出が深く残りますね。
うろ
1
文章が淡々としていて良い2009/06/26