SD選書<br> メタル建築史―もうひとつの近代建築史

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メタル建築史―もうひとつの近代建築史

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784306052680
  • NDC分類 523.06
  • Cコード C1352

出版社内容情報

技術史から見たモダニズム建築。材料と構法からエネルギー設備、建築類型から形態と空間に至る、総合的な建築デザイン思想を解析。

メタル建築とは、金属を積極的にデザインにとり入れた建築のことをいう。近代建築を生み出した材料はコンクリート、鉄、ガラスだといわれているが、本論ではそのうちの鉄に焦点を当てることになる。メタル建築の主流が鉄骨建築であることはいうまでもない。しかし鉄には鋳鉄、錬鉄、鋼鉄、高張力鋼などさまざまな種類があるし、鉄以外にもアルミニウム、亜鉛、鉛、錫、チタンといった金属が建築材料として使われている。さらに近代建築では金属は主構造だけでなく内外装仕上げ、建具、設備機械類にも使われてきた。本論ではメタル建築をそうした多様な金属を使った建築の総称としてとらえることにする。……
モダニズムの建築デザインがテクノロジーや機能に表現の根拠を求めたのは、それまでの建築が様式によってがんじがらめになっていたからだった。しかしモダニズムの建築デザインは形態システムそのものを捨てたわけではない。それは意識の上のテクノロジーと機能に隠れて、機械のイメージとなって無意識のなかに忍び込んだ。形態システムをはっきりと意識化したコルビュジエはその意味でモダニズムを超えている。
イズムはいつも意識の上にあるものだけにとらわれる。そしてその反動が意識の否定となって現れる。それがインダストリアル・ヴァナキュラー礼賛である。しかし意識を否定してもテクノロジー自体が透明になるわけではない。抑圧された形態システムは無意識のイメージとなって表現の隙間に滑り込んでくる。それによって生み出されるのはテクノロジーと機能の露出ではなく、むしろその神秘化と曖昧化である。

序章 建築の四層構造──メタル建築を総合的にとらえるマトリクス
建築をとらえる四つの視点/コンピュータモデルと頭脳モデル/四層構造と建築技術/四層構造の相互関係/四層構造のマトリクス

第一章 技術の世紀末
『建築の世紀末』を建築技術史として読む/職能としての建築家の誕生/合理主義・機能主義・技術主義/アーツ・アンド・クラフツ運動とアール・ヌーヴォー/鉄骨造の出現と非物質化/近代建築運動

第二章 一九世紀──芸術から技術へ
鋳鉄柱の可能性/社会階級と技術/技術と芸術/新しい機能/植民地建築と工業部品化/クリスタル・パレス/新しい空間体験/鉄骨構造のための建築理論/非物質化

第三章 モダニズム建築運動──技術の建築化
モダニズムの四層構造/アール・ヌーヴォー/非物質化への抵抗/表現主義/ロシア・アヴァンギャルド/戦争と技術/工場建築とアルバート・カーン/ガラスの家/ル・コルビュジエ/ミース・ファン・デル・ローエ/技術の建築化/リチャード・バックミンスター・フラー/エフェメラリゼーション/ジャン・プルーヴェとコンラッド・ワックスマン

第四章 盛期モダニズム──技術の世界化
スカイ・スクレーパー/モダニズムのアメリカ化/ケース・スタディ・ハウス/イームズ邸の四層構造/工業化とシステム化/大衆化とポップ化/日本の初期鉄骨建築/数寄屋と鉄骨構造

第五章 ポストモダニズムからハイテックへ―技術の成熟
六〇年代から大阪万博へ/ポンピドゥー・センターからハイテックへ/ハイテック・スタイルの興隆/ライト・コンストラクションとデコン

第六章 ハイテックからエコテックへ──技術のサステイナブル化
グッゲンハイム美術館ビルバオ/せんだいメディアテーク/動く建築/アルミニウム建築/エコテック・スタイル/セミラチスで多元的な建築

おわりに──非物質化とエフェメラリゼーションの行方

難波 和彦[ナンバ カズヒコ]
難波和彦(なんば・かずひこ)
建築家、東京大学名誉教授。1947年大阪生まれ、東京大学建築学科卒業、同大学院博士課程修了。工学博士。大阪市立大学教授、東京大学大学院教授を歴任。現在、難波和彦+界工作舎代表。
主著に『戦後モダニズム建築の極北 池辺陽試論』彰国社、『箱の家 エコハウスをめざして』NTT出版、『建築の四層構造 サステイナブル・デザインをめぐる思考』INAX出版、『東京大学建築学科難波研究室活動全記録』角川学芸出版、『新しい住宅の世界』放送大学教育振興会、『進化する箱』TOTO建築叢書、『建築家の読書塾』(みすず書房)、訳書に『レム・コールハース|OMA 驚異の構築』(鹿島出版会)ほか。

内容説明

鋳鉄からアルミニウムまで、メタルによる近代建築史の集大成。材料と構法からエネルギー設備、建築類型から形態と空間に至る総合的な建築デザイン思想を解析。21世紀の建築を見据えたサステイナブル・デザインの提唱。技術史から見たモダニズム建築。

目次

序章 建築の四層構造―メタル建築を総合的にとらえるマトリクス
第1章 技術の世紀末
第2章 一九世紀―芸術から技術へ
第3章 モダニズム建築運動―技術の建築化
第4章 盛期モダニズム―技術の世界化
第5章 ポストモダニズムからハイテックへ―技術の成熟化
第6章 ハイテックからエコテックへ―技術のサステイナブル化
補論1 アルミニウム建築―もうひとつのメタル建築
補論2 ミース問題―コンポジションとコンストラクション
補論3 システム化と工業化の目的―構法と機能

著者等紹介

難波和彦[ナンバカズヒコ]
建築家、東京大学名誉教授。1947年大阪生まれ。東京大学建築学科卒業、同大学院博士課程修了。工学博士。大阪市立大学教授、東京大学大学院教授を歴任。現在、難波和彦+界工作舎代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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T.Matsumoto

4
難波先生による建築を4層構造で捉えるフレームワークをもとに、鉄を中心とした技術面に着目して展開される建築史。哲学や社会情勢も言及しつつ、18世紀からコールハースまで、コンパクトかつ連続的に論を進めていくのが素晴らしいです。特に、ミースに関する分析は、コーリン・ロウと異なる見解を提示するなど、斬新な視点を与えてくれます。でも、難波先生がミースを論じるのは意外。2017/02/08

toshiki

0
建築の構造材である金属に注目して近代以降の建築史を論じている視点は斬新で説得力がある。構造、設備、機能、意匠を総合化するという建築の楽しさでもあり難しさでもある葛藤の歴史が実例も豊富でおもしろい。特にアルミ建築の可能性については大変興味を持った。2017/02/15

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