闇で味わう日本文学―失われた闇と月を求めて

個数:
電子版価格
¥1,870
  • 電書あり

闇で味わう日本文学―失われた闇と月を求めて

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月26日 22時24分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 291p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784305709554
  • NDC分類 910.2
  • Cコード C0095

出版社内容情報

『源氏物語』、『今昔物語集』、『雪女』、『舞姫』……。

時代を超えて愛される名作には、印象的な「闇」の場面が登場することが多い。

目の前の人の顔も見えない闇とほのかな灯り、怪しいモノの存在を感じさせる山道の真っ暗闇、夜を明るく照らす神秘的な月の光など、人工的な明るさに慣れた現代人にはなかなか想像しにくいものもある。



そんな文学作品の闇の舞台を“闇案内人”である著者が実際に歩いたり、暗くした室内で線香花火を楽しんだりと、五感をフルに活用して雰囲気を体感。

時に恋人たちの逢瀬や詩情を盛り上げ、時に幽玄味に彩られた怪異・伝承を生み出した「闇」という物語装置にスポットを当て、作品世界をより深く楽しむ新しいアプローチを紹介してくれる。



夜の小倉山登山から平安時代の肝試し跡地の散策、古の灯り・油火を身近なもので再現してみたシミュレーションまで盛りだくさんの16章からなる、ユニークな「日本文学体験案内」



【目 次】

巻頭カラー口絵

はじめに

第一章●肝試しの歴史-闇と戦うツワモノたち

(『大鏡』、『十訓抄』、『今昔物語集』、『吾妻鏡』)

第二章●光る茸とかぐやの梯子-八月十五夜には月と地球がつながる

(『竹取物語』『夜の寝覚』『今昔物語集』)

第三章●冬の屋内で線香花火を囲む-座敷花火と寒手花火

(寺田寅彦『備忘録』、正岡子規『俳句稿』)

第四章●ヒグラシと暮らし、ヨアカシと明かす-万葉の蝉

(『万葉集』、内田善美『ひぐらしの森』ほか)

第五章●小倉山と嵯峨野の真っ暗闇を歩く(一)―関西の都は闇放題

(紫式部『源氏物語』、吉田兼好『徒然草』、『小倉百人一首』)

第六章●小倉山と嵯峨野の真っ暗闇を歩く(二)―夜の鳴き声に心を澄ます

(『小倉百人一首』、西行『山家集』)

第七章●月の飲みかた、捕まえかた-月遊びの世界

(土井晩翠「荒城の月」、西行『山家集』)

第八章●雪女は水女-小泉八雲の闇を歩く

(小泉八雲『雪女』)

第九章●望遠部屋とムーンルーム-天の川流域で暮らす

(小林一茶『七番日記』ほか)

第十章●月を直視するなら裏三日月-有明待と今月今夜

(『和泉式部日記』、菅原孝標女『更級日記』、清少納言『枕草子』、尾崎紅葉『金色夜叉』)

第十一章●無月・雨月も月のうち-大正ロマンと少女の夜

(野口雨情「雨降りお月さん」、加藤まさを「月の沙漠」)

第十二章●よばいの闇

内容説明

かつて日本の名作には「極上の闇」があった。『源氏物語』、『今昔物語集』、『雪女』、『舞姫』…。時に恋人たちの逢瀬や詩情を盛り上げ、時に幽玄味に彩られた怪異・伝承を生み出した「闇」という物語装置。“闇案内人”である著者が、現代人が失った「極上の闇」の五感を取り戻すべく、実際に物語の舞台となった場所の闇を味わい、闇の視点から書き下ろしたユニークな「日本文学体験案内」。

目次

肝試しの歴史―闇と戦うツワモノたち
光る茸とかぐやの梯子―八月十五夜には月と地球がつながる
冬の屋内で線香花火を囲む―座敷花火と寒手花火
ヒグラシと暮らし、ヨアカシと明かす―万葉の蝉
小倉山と嵯峨野の真っ暗闇を歩く(一)―関西の都は闇放題
小倉山と嵯峨野の真っ暗闇を歩く(二)―夜の鳴き声に心を澄ます
月の飲みかた、捕まえかた―月遊びの世界
雪女は水女―小泉八雲の闇を歩く
望遠部屋とムーンルーム―天の川流域で暮らす
月を直視するなら裏三日月―有明待と今月今夜
無月・雨月も月のうち―大正ロマンと少女の夜
よばいの闇といにしえの透明人間(1)―なぜ夜にやるのか
よばいの闇といにしえの透明人間(2)―松の照明を嗅ぐ
二重の行灯闇の中で―モーモー時から十三夜
昔の街頭は火の鳥だった!―舶来の闇を照らす
おとめの百夜連続単独ナイトハイク―闇富士に恋した娘

著者等紹介

中野純[ナカノジュン]
体験作家、闇歩きガイド。一橋大学社会学部卒。闇をテーマとした文筆活動やナイトハイクの案内の傍ら、夫婦で少女まんがの専門図書館「少女まんが館」を運営。東京造形大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たま

47
副題は「失われた闇と月を求めて」。日本文学の夜の描写に注目し実際にその夜を体験してみる本。例えば『大鏡』の道長の肝試しに倣って現在の京都で同じ場所を夜歩いたり、行灯や油火の灯りを試したりする。確かに古典には夜の描写が多いし、夜の自然が好きな私にはそれが魅力だったのだと気づかされて嬉しくなった。小さい頃、家に縁側があってエアコンがなかった時代は庭先の闇もお月様ももっと身近だった。夏は庭で花火したり障子で影絵したり。著者の言う通り夜こそ自然との不思議な一体感が味わえる。今年の夏はもっと夜闇を楽しもうと思う。2022/06/07

pirokichi

25
著者は体験作家で闇歩きガイド。片桐はいりさんとのEテレスイッチインタビューの「闇に溶ける感覚」「空間に完全に負けている気もちよさ」「丁寧に見ないことを丁寧にやる」などの発言に惹かれて手に取った。本書は闇案内人である著者が『大鏡』『今昔物語』『源氏物語』『雪女』など日本の物語の舞台となった、月がもたらす日本のやわらかな闇を探り、闇の視点から日本文学を味わう。「月は、有明の東の山ぎはに、細くて出づるほど、いとあはれなり」(枕草子)。本書にすっかり影響されて、旧暦と月齢がわかるアプリをダウンロードしてしまった。2022/09/14

田中峰和

6
万葉集から小説、随筆まで幅広いジャンルの日本文学にスポットを当て闇の扱われ方を研究する。そのユニークさは、作品のなかで闇がどんなものだったかを追体験するため同じ場所で闇の世界を見に行くところ。きっかけは、小泉八雲の「雪女」の舞台を歩くことだった。東北のイメージがあるが、実は青梅が舞台らしい。青梅の金剛寺からスタートし、川辺の渡し跡が雪女の出現地。当時とは違う街並みでも気分に浸れて、昔の追体験ができると確信したという。肝試しの歴史は古く、「大鏡」の舞台になった京都や、「竹取物語」の舞台も追体験している。2022/07/17

てくてく

3
「闇案内人」である著者が、日本文学に描かれた闇を追体験する感じのエッセイ。文学論というよりは闇と灯に関する話という印象を受ける。小泉八雲の雪女が東北の話ではなかったり、道長などの宮廷人が行った肝試しが割と近場かつ墓場などではないことなどの指摘が面白かった。2022/09/19

マカロン

3
随所に挟み込まれるユーモア。すっぽり闇に包まれる心許なさ、久しぶりに感じてみたくなった。2022/07/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19533026
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。