内容説明
ふたりの原稿の下には「禁秘」がある。そこには毒が仕込まれている。出自にからむあれこれがあり、卑下のなかに虚栄が香り、したたかな戦略もまた見え隠れ。そうした暗部にためらわず手を突っ込み、つかみあげたい―。引用な模倣に目を配り、その有様を具体的に検証することから、創造の原理を考える。
目次
第1章 原稿の下に隠されしもの―遠藤周作から寺山修司まで(遠藤周作から;寺山修司へ)
第2章 無名時代の寺山修司―「チェホフ祭」に至るまでの文学神童の歩み(小学校時代(昭和十七年~二十三年)
中学時代(昭和二十三年~二十六年) ほか)
第3章 遠藤周作の秘密―年譜から見えてくるもの(秘密の真価;秘密の淵源 ほか)
第4章 測深鉛をおろす―遠藤周作訳『テレーズ・デスケールー』を繰る(惚れこんだ作品;愛人訳の背景 ほか)
著者等紹介
久松健一[ヒサマツケンイチ]
東京、浅草生まれ。中央大学大学院文学部博士後期課程満期退学。現在、明治大学で教壇に立つ。NHKラジオ講師としても出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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