内容説明
食品偽装摘発の緊迫の舞台裏を、元農水省『食品表示Gメン』トップ自らが激白。省内の葛藤、内部告発、裏社会の恐喝、そして個人の苦悩…そこには、食の信頼を取り戻すために、命を削る闘いがあった。雪印、ミートホープから事故米、ウナギ偽装まで、食品表示Gメン2000名の元リーダーが初めて明かす偽装摘発10年の舞台裏。
目次
第1章 雪印食品の産地偽装―それはBSE問題から始まった
第2章 食品表示の不正は許さない―渦巻く葛藤
第3章 Gメンにつながる赤い糸
第4章 ミートホープ偽装牛肉事件―もう一つの衝撃
第5章 ようやく掴んだウナギの産地偽装
第6章 事故米問題―濃厚な三日間と激動の一ヶ月半
第7章 食品表示Gメンの経験を生かして
著者等紹介
中村啓一[ナカムラケイイチ]
1949年長野県出身。高校卒業後、農林省に入省。入省3年で大臣官房総務課に配属され、激務の国会担当として活躍。その後、食品流通局を希望し異動。グリコ・森永事件の対応や平成米騒動の消費者窓口を担当。異動先で必ず大きな事件が起こることから、「事件屋ケイちゃん」の異名をとる。2001年、単身赴任した近畿農政局管内で『雪印食品牛肉偽装事件』が発覚。その後、食品偽装を摘発する専門チームが農水省に設置され、全国2000名のリーダーに就任。2011年8月に農水省を退官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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にゃーぷー
4
皆さん、あの手この手で偽装やってらっしゃるんですね。浅く広く。2013/11/30
ANUNYAPHUM
3
元農水省職員の退職までの10年で起きた事を振り返る手記。 著者個人の感情が多々入るので、物語として読むならgood。 2012/11/01
akanishi
2
食品偽装の現場を知る人による著。2013/03/21
Ajar
1
やや古い本だったが、興味深く読むことができた。一時期立て続けに話題になった食品偽装の裏側を担当者が舞台裏をまとめている。食品業界の偽装が当然のように行われていたのも衝撃であり、担当とはいえ、全国各地、各食料品の監督をする農水省も大変だろうと思う。裏をかいてだまして儲けようとする人は後を絶たない。著者も書いているように、今は外国産の食品も値段や品質に合わせて消費者は選んでいるので、ごまかしたりせず、流通者が正直でクリーンな経営をしてくれることを望んでやまない。2019/07/24
pabu44
1
起こった事実が淡々と語られる。生産者、行政、流通、消費者、と様々な立場からの見方ができる食品偽装問題だけど、偏った書き方はされていないので、好感。雪印、不二家、ミートホープ、うなぎ偽装..etc などマスコミで大きく取り上げられた事件は大体網羅されているので、一つ一つはあまり掘り下げて語られないけど、一言に「食品偽装」とくくれるもんではないというのがよくわかります。2012/12/22