目次
第1章 パリ時代の思い出
第2章 レヴィ先生の思い出とフランスの音楽家
第3章 デビューの頃
第4章 ショパン記念祭とラヴェル、ドビュッシー
第5章 日本のピアノ教育とピアノ教本の導入
第6章 さまざまなピアノと調律のこと
第7章 日常と家庭生活
第8章 著名文化人との対話
著者等紹介
青柳いづみこ[アオヤギイズミコ]
ピアニスト・文筆家。安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院卒。東京藝術大学大学院博士課程修了。学術博士。武満徹、矢代秋雄。八村義夫作品を集めたリサイタル『残酷なやさしさ』により、平成元年度文化庁芸術祭賞。演奏と文筆を兼ねる存在として注目を集め、著作は30冊、CDは20枚を数える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
88
生誕百年、安川先生の文章を集めた見事な編集。芸術家の中ではとりわけ性格がよく温厚だと思われる安川先生らしく、その文章の何と気品に満ちていることか。しかし、青柳さんの名著「翼のはえた指」でも指摘されていたが、先生は、実は負けず嫌いの芯の強い人間である。「固定的な先入観を金科玉条にしてまるで上から見下ろすような態度で批評する」評論家を批判する未発表原稿など、心の中のマグマが感じられて面白い。安川先生翻訳の「ピアノのテクニック」を教本にし、スピアナート奏法でピアノを学んできた私には、先生の言葉が懐かしくて重い。2022/06/06
Tatsuo Ohtaka
2
今年は偉大なピアニスト・教育者の安川加壽子生誕100年にあたる。本書は演奏者として、指導者として、戦後日本の音楽界を牽引してきた彼女のインタビューや対談、執筆記事を通して、その率直な「ことば」をまとめたもの。音楽、家庭、人付き合いにおいても、どのような信念のもとにその美学を貫いていたのか、興味深いエピソードも満載。相撲ファンという意外な一面も。愛弟子の一人である編者(評伝「翼のはえた指」も名著として知られる)による各章に付されたコラムが、当時の背景を踏まえて理解を深めてくれる。2022/04/28
Go Extreme
1
パリ時代の思い出: 楽しかったパリ音楽院時代 レヴィ先生の思い出とフランスの音楽家: ラザール・レヴィ先生のこと 戦後最初の本場の音 デビューの頃: この道ひとすじ ローゼンシュトック氏 ショパン記念祭とラヴェル、ドビュッシー: パリにおけるショパン ラヴェルについてのスケッチ モーツァルトとラヴェル 日本のピアノ教育とピアノ教本の導入 さまざまなピアノと調律: 寿命は手入れ次第 ピアノ調律技師の体験 日常と家庭生活: 場所とときに合ったもの 旅と仕事 著名文化人との対話 追悼・安川加壽子 ―― 三善晃2022/06/05