内容説明
今日、知性は直接物に触れずに、ますます実在の世界から離れて迷妄に陥り、人々の心を結びつける心情は失われようとしている。本書は、知性の重荷に潰されようとしている心情の世界に光を当てようとするものである。
目次
第1章 パスカル考(パスカルの方法―「繊細の精神」と「幾何学的精神」;心情・情念 ほか)
第2章 ポール・ヴァレリー―文明批評を中心に(ヴァレリーの文明批評;精神の危機 ほか)
第3章 ベルクソン―精神(心)と身体(物)(序―物心二元論の克服;脳と精神 ほか)
第4章 近代的知性の迷妄と心情の美徳の喪失(時間と空間;心と身体 ほか)
第5章 ドストエフスキーと宗教―「理知の世界」と「心情の世界」との葛藤(『罪と罰』;『白痴』 ほか)
著者等紹介
矢島杜夫[ヤジマモリオ]
1947年東京都に生まれる。1971年国学院大学文学部哲学科卒業。1973年同大学院経済学研究科修士課程修了。1995年経済学博士。専攻、社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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