内容説明
動物の体の仕組みの多様さと環境適応の巧妙さを紹介しながら、動物界の全体像を描く。
目次
動物のさまざまな文化
「単細胞文化」
「毛の生えたザルの文化」
クラゲ文化=「肛門のない文化」
「左右のある櫛の文化」
「扁平な文化」
「肛門の文化」
「微小化した文化」
「糸の文化」
「体節の文化」
「肢の文化」
「殻の文化」
「仕切りの文化」
「U字形の文化」
「水管の文化」
「ひげの文化」
「フィルターの文化」
「背骨の文化
著者等紹介
日高敏隆[ヒダカトシタカ]
1930年東京生まれ。東京大学理学部動物学科卒業。東京農工大学農学部教授、京都大学理学部教授、同理学部長、滋賀県立大学初代学長、大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所初代所長を歴任。1982年、日本動物行動学会設立、長く会長を務める。著書、訳書多数。京都大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽんくまそ
3
動物といっても、動物園にいる動物ではない。動物園は、動物のうちの一種にすぎない脊椎動物だけ、その中でも特にほ乳類を優先した生体展示だ。生物はもっと多様にして、己のスタイルで堂々と生きている。生物のなかでのヒト(ほ乳類・脊椎動物)優越史観を根本からくつがえす好著である。「ナマコは、要するに、球型のウニが上下の方向に長く伸びてキュウリのような形になり、それが横に倒れたものと考えればよい。」など、あ、そうかと思える説明に感謝。昔、講談社学術文庫で読んだときには、なぜ節足動物の種類が多いかの理由がわかり興奮した。2014/08/05