出版社内容情報
十歳の少女カヤは、両親が居らず「繕い屋」を生業とする。ある日、神社の台座から落ちた狛犬に、神様の危機を救う旅に誘われ…
内容説明
10歳の少女カヤは、両親が居らず「繕い屋」を生業としている。ある日、神社の台座から落ちた狛犬のミスマルに、神様の危機を救う冒険の旅へと誘われる。不思議な森へと分け入る、カヤの行く手に待ち受けるものとは?二十一世紀のジャパニーズ・ファンタジー。
著者等紹介
曄田依子[ヨウダヨリコ]
愛媛県生まれ。武蔵野美術大学油絵科卒。グラフィックアーティスト。小説家。住吉大社御祓講獅子意匠預。現代アジアに混在する華やかな伝統を、現代の視線を取り混ぜて視覚化する。アナログ、デジタルを問わずさまざまなメディアで活躍。個展、グループ展やアートフェア出品等、国内外で活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
90
デザイナー、イラストレーターでもある著者。章ごとに色を変えた美しい挿画やコデックス装、カヤの繕い屋という仕事まで、モノ作りへの愛着とこだわりが詰まっている。不思議な世界の設定も秀逸で、平易な児童書ながら奥深さが感じられる。堅実なイメージだった岩崎書店。とても意欲的な本なのは岩崎夏海さんが社長になったからかな。2018/10/13
信兵衛
26
作者が挿絵も描くというスタイルの児童文学を復活させたいという試みから生まれた作品とのこと。 物語と絵、どちらが先か?と思うぐらい、物語と絵がしっくり絡み合っていて素晴らしい味わいです。章ごとにイラストの色が変わるという趣向も実に楽しい。2018/06/05
バニラ風味
22
両親を亡くして一人暮らししている娘、カヤ。その日常生活が健気だけど、痛々しい感じも。とある出来事で、狛犬と出会い、一緒に神様を救う旅に出かけます。お守りアイテムを持ち、行く先の試練をくぐり抜けていくお話ですが、読後、ストーリーに何か、もう少し足りないものがあるような気がしました。イラスト、装丁がとても繊細で素敵です。2018/02/02
杏子
14
繕い屋の娘カヤが、神社の狛犬ミスマルと一緒に神様に会いに冒険の世界に飛び込むストーリー。カヤの父親は戦争に駆り出され、母親は父の死をきっかけに?カヤ1人を残して家を出ていってしまったという。カヤはそれ以来、たった1人で繕い物の仕事を貰いながら、いろんな工夫をして生きてきた。そんなカヤの心優しさが光る作品だった。ファンタジーとしては、雰囲気はたっぷりあって、作者自身の手になる挿し絵も素晴らしい。ストーリーもうまくできている。この上、何か?と言ったら何があるのだろう。コデックス装という装丁はとてもよかった。2019/07/28
花林糖
13
(図書館本)針と糸を使う繕いだと思っていましたが、「繕い屋」とは壊れた物を直す仕事なのですね。戦争で父と母を失った10歳のカヤと狛犬のミスマルのお話。物語の深さはもう一歩という感じだけれど児童書としては◎。曄田さんの描く挿絵が雰囲気良く素敵です。2019/11/12