感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
57
統合失調症の回復を研究して40年、池淵恵美先生の教授退任記念作。回復には希望が大事。患者さんに安易に「統合失調症ですから一生薬が要ります」と言わないこと。患者さんは傷つき、絶望してしまう。薬を辞められる人は結構いるし、世の中に居場所を見つけることで安定し、少ない薬で生活していけるようになることも多い。お仕着せのプログラムより、本人のやりたい気持ちのほうがずっと大事。単純作業繰り返させるより早めに就労するほうが回復する。陰性症状もリハビリで回復する。専門書だし、読みやすいとは言えないけど参考になります。2019/05/15
aoi
5
履修科目の参考文献として紹介されていた。 専門的な内容も面白かったが、筆者が臨床で経験したcase紹介(患者さんが特定されないように創作してる)では何度も涙が出た。 人間の素晴らしさは勇気の素晴らしさだと思う。どんな困難や生きずらさを抱えていても、休んだり、立ち止まったりしながら、前を向き自分の道を歩もうとする姿に勇気を貰った。 精神障害を持つ方以外にも読んで頂きたいと強く思った。 人間は1人では生きていけない、社会に属す事が幸せや人格発達に繋がる。 人は周囲との関わりの中で人格が生まれ、成熟されていく。2022/08/01