出版社内容情報
行方不明者届のグレーゾーン案件を扱う大阪府警消息対応室に再雇用警察官として勤める安治川信繁。刑事畑で培った卓越した技術と勘と広い人脈で捜査を進め、事件性なしと思われたケースに潜む悪をあぶり出す…。しかし、その先に見えたものはあまりに切ない人生模様であることが多い。そのようないくつかの事件を解決してきた安治川の前に、新たな案件が。
富を愛するほどに狭量で卑しき精神はなし…古の哲学者の言うが如く、
金に目のくらんだ者の行為は愚かだ。
同僚の新月良美が、かつて因縁のあった若い女性沢木杏里に不審な点があると相談してきた。初老の男性と一緒にその妻の行方不明者届を出しに来ていたのだが、翌日にその妻が金剛山で滑落死体で発見されたのだ。新手の後妻犯かと疑われたのだが、杏里はその男と養子縁組届を新たに出してきた。慎重居士の芝室長からはほどほどにと諫められながら安治川らは捜査を始める。しかし、どこにも犯罪の匂いはしない。
なぜ、再婚ではなく養子縁組なんだ?
妻の遺体を引き取った男は縁者にも連絡せずそそくさと直葬にしたのはなぜだ?
滑落死体は、本当に男の妻なのか?
担当所轄からは越権行為だと糾弾されつつ捜査を断行するにつれ、驚くべき完全犯罪の様相が見えてきた。手を拱くうちに、また一人重要人物が転落死。もう誰も死なせたくないと必死に事件を追う安治川と新月。しかし、一連の事件の黒幕までたどり着くことがなかなかできない…。
糸口が見えない!
安治川、新月の捜査は完敗に終わるのか!?
内容説明
金剛山で発見された登山者の滑落死体は、行方不明者届が出されていた女性だった。単純な事故として処理されたが、遺体は別人ではないのかと消息対応室は不審を抱く。再雇用警察官安治川信繁と新月良美巡査長が調査を開始した。遺体が別人なら、誰とどうやって入れ替わったのか?事件の匂いは濃厚だが突破口がない…。切歯扼腕の二人の前に、消息対応室を揺るがす事態が新たに起きる!
著者等紹介
姉小路祐[アネコウジユウ]
1952年、京都府生まれ。大阪市立大学法学部卒業。89年、『真実の合奏(アンサンブル)』で第9回横溝正史賞の佳作となり、デビュー。91年、『動く不動産』で第11回の同賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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