雨と詩人と落花と

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784198645816
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

動乱の時期に生きた詩人と、彼を支え続けた妻。至高の夫婦愛とは? 文中の漢詩が深い感動を呼ぶ巨星の到達点!天領の豊後肥田、私塾咸宜園の塾主である広瀬旭荘は二度目の妻・松子を迎えた。剛直で激情にかられ、暴力をふるうこともある旭荘。しかし、心優しき詩人である彼の本質を松子は理解し、支え続けた。だが、江戸で松子は病魔に倒れる。時は大塩平八郎の決起など、各地が騒然としている激動期。儒者として漢詩人として、そして夫としてどう生きるべきか。旭荘は逡巡し、ある決断を下す。動乱の時代に生きた詩人の魂と格調高い夫婦愛を描く著者畢生の書。

葉室麟[ハムロリン]
著・文・その他

内容説明

天領の豊後日田、私塾・咸宜園の塾主である広瀬旭荘は二度目の妻・松子を迎えた。剛直で激情にかられ、暴力をふるうこともある旭荘。だが、心優しき詩人である彼の本質を松子は理解し、支え続けた。しかし、江戸で松子は病魔に倒れる。時は大塩平八郎の決起など、各地が騒然としている激動期。儒者として漢詩人として、そして夫としてどう生きるべきか。旭荘は逡巡し、ある決断を下す。江戸末期、時代の奔流に生きた至高の夫婦愛。

著者等紹介

葉室麟[ハムロリン]
1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2004年『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞を受賞しデビュー。2007年『銀漢の賦』で第14回松本清張賞を受賞。2012年『蜩ノ記』で第146回直木賞を、2016年『鬼神の如く 黒田叛臣伝』で第20回司馬遼太郎賞を受賞。2017年12月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

165
タイトルは葉室作家の娘さんの書だそう。儒者・漢詩人の広瀬旭荘の苦悩とその妻・松子の生涯。夫・旭荘の事をよ~く理解していて、「目の前のひとりを懸命に救おうとするひとが本当に多くのひとを救えるのではないか」と云う妻が素晴らしい。自ら病の床で夫に「今日のほうがいい」という妻に頭がさがる。旭荘を残し先に逝くのは辛かっただろう。いくら才能があってもこんなDV夫は私は願い下げだが、包んでも余りある一つの夫婦愛をみたような気もする。2018/07/07

starbro

151
葉室麟は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者にしては、珍しいタイトルだと思っていたら、漢詩の一部でした。本書で広瀬旭荘という人物を初めて知りました。江戸後期DV漢詩人夫婦愛情物語、著者ならではの渋い佳作、一気読みしました。葉室麟の新作を後何作読めるのでしょうか?2018/04/03

Lara

75
葉室麟氏、二作目。江戸後期の儒学者・漢詩人、広瀬旭荘と、妻・松子の夫婦愛の作品。少栞「ひとは才において尊いのではない、ひとを慈しむ心において尊いのだ」采蘋「ひとはひとによって生かされている」「ひとを生かすのは女だ」ひたすら、旦那さん・旭荘に尽くし29才で亡くなった松子さんが、不憫で仕方ありません。最後は涙でした。 2020/01/14

それいゆ

44
いつものパターンです。葉室麟は実在の人物を描くと途端にその筆が鈍くなります。咸宣園の広瀬淡海、緒方洪庵、高野長英、渡辺崋山、水野忠邦、そして大塩平八郎と次々と登場しますが、史実の解説のような話は面白くないです。架空の小藩を舞台にした創作作品はいつも一気読みで感動させられるのに、今回は残念!2018/04/10

真理そら

38
旭荘と松子の関係は理解できるような理解できないような…。松子の家を初めて訪問したときの詩のように優しく繊細な愛情は溢れているのに、それをうまく表現できず、つい暴力に走ってしまう夫。不器用な男の妻への感謝を込めたラブレターのような作品だった。2018/08/23

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