文春文庫<br> トウ小平秘録〈上〉

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文春文庫
トウ小平秘録〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 357p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167838157
  • NDC分類 222.077
  • Cコード C0195

出版社内容情報

世界経済二位となった現代中国の路線を定めた彼は、どのように決断したのか? 毛沢東死去、天安門事件、南巡講話。膨大な史料をもとに描く

いまや世界第二位として、グローバル経済の要となった中国。その中国の政治と経済の路線は二十年前にトウ小平が敷いたものでした。毛沢東の死後、最高権力者となった?ケ小平は、いかにして今日につながる道を開いたのか? 中国取材四十年のベテラン伊藤正が、豊富な取材と膨大な史料を駆使して描き切りました。最高指導者が胡錦濤から習近平に交代し、 貧富の格差など現代中国の矛盾も広がった中国の行く末が注目されるいま、必読の書です。

内容説明

武力によって共産党専制を死守した1989年「天安門事件」。沈みかけた開放政策に拍車をかけた1992年「南巡講話」。最高権力者・トウ小平が下した決断が、極貧国から世界第二位の経済大国となったいまも中国を規定し続けている。彼はどのように考え、決断したのか?膨大な史料から明らかにする!日本記者クラブ賞受賞作品。

目次

第1部 天安門事件―一党独裁を死守(格差と腐敗の中華振興―武力鎮圧は正しかった;胡耀邦の死―猛然とたばこを吸った;魏京生事件―釈放要求に激怒した ほか)
第2部 南巡講話―保守派支配のなかで(隠密旅行―期するものがあった;保守への警告―冒険せずには何もできぬ;「不在」情報―「死亡説」まで流れた ほか)
第3部 文化大革命―中央復帰への執念(下放労働―「紅衛兵はいないのか」;家族の絆―受難がバネになった;「戦友」の反逆―毛主席の老いが進んだ ほか)

著者等紹介

伊藤正[イトウタダシ]
1940年、埼玉県春日部市生まれ。東京外国語大学中国語科卒。共同通信社に入社。香港、北京、ワシントンの特派員、外信部次長、論説委員長を歴任。共同通信社時代には、毛沢東の死(1976年)と天安門事件(1989年)に現地で遭遇。2000年、産経新聞社に移籍し、中国総局長を務めた。2009年、産経新聞で連載した『〓(とう)小平秘録』で、日本記者クラブ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Roy

5
上巻は天安門事件からスタートし、その後文化大革命時代に鄧小平が何を体験してきたかを著述。経済改革と共産党体制の維持という観点からみたときに、胡耀邦と趙紫陽ら革新派を用いつつ、陳雲ら保守派元老といかにバランスさせていくか苦心した様子が伺える。天安門事件を党の体制維持の観点からの弾圧とだけ見るだけでは理解できないように感じた。2019/06/07

glaciers courtesy

4
鄧小平が中国の近現代史上では最も偉大な政治家であるという位置付けであるということに異論がある人は少ないだろう。その鄧小平の唯一の汚点とも言われている天安門事件のときの鄧小平の動きや判断などが克明に記されている。鄧小平といえど、まずは自分の地位が守られることが一番であって、その上に理想の実現があるというのは何人も変えられないところなんだなと再確認した。また、文革時代は自分の信念を曲げ、自己批判をしてでも毛沢東という絶対権力者についていく姿もかなり衝撃的。志があっても生き残らなければ歴史に名前は残せないのだ。2016/03/11

ホン

3
勢いのある中国も鄧小平がいたからこそだと思い読んでみた。毛沢東率いる文化大革命、それに天安門事件が詳細に語られている。前者は周恩来、江青夫人、林彪、といった 昔、毎日のように新聞を賑やかせた名前もあり権力闘争の凄まじさと鄧小平の3度の失脚について、後者は中国共産党の存続を絶対視しそのためには武力弾圧もやむを得ないという疑問を持ちながらもそれに向かって行動を起こそうとする鄧小平とそれに反対する知識人、学生達の葛藤について、そうした大きな事件が背景にありながら 経済発展を願い続ける鄧小平の姿勢も伺える。下巻へ2015/06/13

鈴木貴博

2
筆者自身の取材・見聞と様々な史料の渉猟により、鄧小平氏の軌跡を辿る。上巻は第二次天安門事件、南巡講話、そして文化大革命に遡る。2021/07/24

nunu

2
新聞掲載時から楽しみにしていた特集記事。 鄧小平のことよりも、天安門事件を詳細且つ簡明にレポートしている点のほうが価値が高い。新聞掲載時に「天安門事件も20年という時間の経過は、様々な証言がある程度出し尽くすには十分な時間だったのだ」と感じたことを思い出す。中国やインドといった伝統的な大国の勃興にあたって、こうした国々の近代史を知っておくことが必要になっていくのだろうと思う。2013/12/24

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