出版社内容情報
悪い奴は誰も、その男の顔を知らない――。「鬼平」へのオマージュをこめて逢坂剛が描く〈火付盗賊改・長谷川平蔵〉シリーズ最新作。
内容説明
平蔵の母はまだ生きていたのか?火付盗賊改・長谷川平蔵、シリーズ最新作。
著者等紹介
逢坂剛[オウサカゴウ]
1943年(昭和18年)、挿絵画家・中一弥の三男として、東京に生まれる。中央大学法学部卒業後、博報堂に入社。80年、「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞。86年、「カディスの赤い星」で直木賞、日本冒険小説協会大賞、日本推理作家協会賞。97年より、執筆に専念。2013年、日本ミステリー文学大賞。2015年、「平蔵狩り」で吉川英治文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
202
逢坂 剛は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。読み続けて〈火付盗賊改・長谷川平蔵〉シリーズ4作目です。本作は、著者が幼い頃に亡くした生母に捧げる連作短編集でした。オススメは、表題作の「平蔵の母」と著者の母が数十年前に描いた表紙絵です。 https://books.bunshun.jp/articles/-/52672020/02/16
いつでも母さん
161
逢坂版平蔵の第4弾!タイトル作含む6話。どれも好い。5話目『深川油堀』お可久のこれまでを切なく読んだ。まだまだ続けて欲しいシリーズだ。2020/02/27
しゃが
59
池波さんの「鬼平」が細やかな心情や情景描写で、「平蔵」個人の味もあったが、逢坂さんは硬質な文章のなかで与力たちと密偵の関係が主であり、悪い奴は誰もその男の顔を知らない「火付盗賊改長谷川」という役職が強かった。江戸の町の地図的なものがわかりにく、それで今村翔吾さんが講演を思い出した、時代小説の校正は位置・方向・時刻などの整合性を調べるスペシャリストがいると話していた。さもありなんと思った。印象に残ったのは「旧恩」「隠徳」。逢坂さんの作品は外国のサスペンスを読んだが、「鬼平」好きとしてはこのシリーズも愉しみだ2020/02/29
雅
50
長谷川平蔵を主人公としたシリーズ。捻りが加わりすんなりとは行かない出来事の数々。久しぶりに読んだ硬質な文体の時代小説。堪能出来ました2020/02/06
ren5000
43
逢坂さんが描く鬼平シリーズ第4弾。前作があまり良い出来ではなかった記憶があるのであまり期待しないで読んだけど今作は面白かった。平蔵が前面に出るんじゃなく手先がほぼ主人公で毎章ごとに主人公が変わるので飽きずに読める。平蔵は謎解きと後始末に徹しているのがいい感じ。2020/06/02