世にも奇妙な人体実験の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 360,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163754406
  • NDC分類 490.2
  • Cコード C0098

出版社内容情報

性病、寄生虫、コレラ、ペスト……人類を絶滅の危機から救った医学の発展の裏には、科学者たちの果敢な人体実験があった

性病、コレラ、寄生虫……人類の危機を救った偉大な科学者たちは、己の身を犠牲にして、果敢すぎる人体実験に挑んでいた!
自身も科学者である著者は、自らの理論を信じて自分の肉体で危険な実験を行い、今日の安全な医療や便利な乗り物の礎を築いた科学者たちのエピソードを、ユーモアたっぷりに紹介します。
解剖学の祖である十八世紀の医師ジョン・ハンターは、淋病患者の膿を自分の性器に塗りつけて淋病と梅毒の感染経路を検証しました。十九世紀の医師ウィリアム・マレルは、ニトログリセリンを舐めて昏倒しそうになりますが、血管拡張剤に似た効果があると直感。自己投与を続けて、狭心症の治療薬として確立するもとになりました。二十世紀、ジャック・ホールデンは潜水方法を確立するために自ら加圧室で急激な加圧・減圧の実験を繰り返し、鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発したといいます。
その他にも放射能、麻酔薬、コレラ、ペストなどの危険性の解明に、自らの肉体で挑んだマッド・サイエンティストたちの奇想天外な物語が満載。その勇気と無茶さに抱腹絶倒するうち、彼らの真の科学精神に目を開かされる好著です。

本書に登場する「勇敢」すぎる実験の数々

●淋病と梅毒の正体を知るため、患者の膿を「自分」に塗布
●急激な加圧・減圧実験で鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発
●「コレラ菌などない!」と断言(注:大間違い)、コレラ菌入りの水を飲み干す
●黄熱病患者の「黒いゲロ」を自分の血管に注射
●(のちに狭心症治療薬となった)ニトログリセリンを舐めて昏倒
●カテーテルを自分で自分の心臓に通す
●自分の呼吸を麻酔で停止させて人工呼吸法を開発


目次
第1章 淋病と梅毒の両方にかかってしまった医師――性病
第2章 実験だけのつもりが中毒者に――麻酔
第3章 インチキ薬から夢の新薬まで――薬
第4章 メインディッシュは野獣の死骸――食物
第5章 サナダムシを飲まされた死刑囚――寄生虫
第6章 伝染病患者の黒ゲロを飲んでみたら――病原菌
第7章 炭疽菌をばら撒いた研究者――未知の病気
第8章 人生は短く、放射能は長い――電磁波とX線
第9章 偏食は命取り――ビタミン
第10章 ヒルの吸血量は戦争で流れた血よりも多い――血液
第11章 自分の心臓にカテーテルを通した医師――心臓
第12章 爆発に身をさらし続けた博士――爆弾と疥癬
第13章 ナチスドイツと闘った科学者たち――毒ガスと潜水艦
第14章 プランクトンで命をつないだ漂流者――漂流
第15章 ジョーズに魅せられた男たち――サメ
第16章 超高圧へ挑戦し続けた潜水夫――深海
第17章 鳥よりも高く、速く飛べ――成層圏と超音速

内容説明

梅毒の正体を知るため、患者の膿を「自分」に塗布!急激な加圧・減圧実験で鼓膜は破れ、歯の詰め物が爆発!!…ほか、常識を覆すマッドな実験が満載。

目次

淋病と梅毒の両方にかかってしまった医師―性病
実験だけのつもりが中毒者に―麻酔
インチキ薬から夢の新薬まで―薬
メインディッシュは野獣の死骸―食物
サナダムシを飲まされた死刑囚―寄生虫
伝染病患者の黒ゲロを飲んでみたら―病原菌
炭疽菌をばら撒いた研究者―未知の病気
人生は短く、放射能は長い―電磁波とX線
偏食は命取り―ビタミン
ヒルの吸血量は戦争で流れた血よりも多い―血液
自分の心臓にカテーテルを通した医師―心臓
爆発に身をさらし続けた博士―爆弾と疥癬
ナチスドイツと闘った科学者たち―毒ガスと潜水艦
プランクトンで命をつないだ漂流者―漂流
ジョーズに魅せられた男たち―サメ
超高圧へ挑戦し続けた潜水夫―深海
鳥よりも高く、速く飛べ―成層圏と超音速

著者等紹介

ノートン,トレヴァー[ノートン,トレヴァー][Norton,Trevor]
英国リヴァプール大学名誉教授。専門は海洋生物学。海の生態系について啓蒙活動をおこなう一方、科学史にも興味を持ち、科学者たちが挑んできた実験を自ら追試する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

青蓮

141
科学と医学の進歩の為に命を捧げた研究者達の足跡。人体実験はぞっとしますが、それが無ければ今日の科学、医療は存在しなかった訳で、数多くの科学者、実験に協力した人達に頭が下がる思いです。それにしても人間の飽くなき好奇心には驚くばかり。「知りたい」という知的好奇心が未来を切り開くのだなぁとしみじみ思いました。2015/10/10

かなっぺ

140
こんなにも真面目なのに面白い本があるのでしょうか。 真面目にアホな事をしちゃってます。 好奇心がそこまでさせてしまう人間って恐ろしい(*´Д`*) 想像だにしない事を自らの身体で実験するという自ら傷口を作り、栄養不足の食べ物(クラッカー、など)しか採らずビタミンCなど取らなければどうなるか実験した数人のチームのうち、数名が禁断のオレンジジュースを飲んでしまった為にその数名は実験にはならなかったとか、開いた口が塞がらないような内容が盛りだくさん。 とにかく、たまに読み返したい本。図書館本なので、買いたい位。2017/09/08

kinkin

100
マッド・サイエンティストの世界へようこそ!に始まり17章まで人体を使って実験した内容が紹介されている。時期は17~18世紀、19世紀の前半頃が主でほとんどが海外だ。自ら性病に感染したりサナダムシを飲まされた死刑囚、外科や抜歯の痛みをなくすための麻酔を研究する医師や実験の経緯他、現代では考えられないような内容だ。科学は失敗と共に発展するものだなあ。文中にウィットや皮肉も混じえながら書かれているようだが翻訳本ということもあり分かりにくいことも数あり。食前食後は読まないほうがよいかも。図書館本2017/05/27

優希

95
科学と医学の進歩のために自己実験という形で歴史を作って来た研究者たち。マッドサイエンティストであり、マゾヒストでもあるように感じてしまいます。しかし、彼らによる人体実験がなければ今日の科学や医学はなく、そう考えると被験者の方々のおかげで今があると言えるでしょう。純粋な好奇心で動いた命知らずの行動が未来へと繋がったと思うと何とも言えません。気分が悪くなるような実験ばかりでしたが、時代の先駆者たちの行動には感動させられるものがあります。2015/10/21

masa

86
僕らが「特別な普通」を享受できるのは、一握りの天才による果敢な挑戦があったからだというのを忘れたくない。かつて医者が殺し屋の時代があり『自然死とは医者にかからず死ぬこと』だった。電撃による記憶の消去は『時計じかけのオレンジ』を彷彿させる。麻酔のない手術、X線のない診断、効能不明な薬を想像して欲しい。それらの安全は彼らが自己実験の末に命懸けで得た戦利品だ。無知を恥じ未知を探求する。貫かれるのは信念への賭けであり、無謀な勇敢さではない。動物実験をしない理由が「人間に協力する姿勢がない」なんてエモいフレーズだ♡2018/07/13

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