ザ・コールデスト・ウインター 朝鮮戦争〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 524p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163718200
  • NDC分類 221.07
  • Cコード C0098

出版社内容情報

スターリンが、毛沢東が、マッカーサーが、トルーマンが、金日成が、そして凍土に消えた名もなき兵士たちが。血の肉声で綴るあの戦争。

内容説明

野望と虚飾のかけひきの向こうで、兵士たちは死んでいく。戦場の現実を見ようとしないそれぞれの上司に苛立ちをつのらせる両軍の指揮官、リッジウェイと彭徳懐。右傾化の国内政治の嵐のなかでマッカーサーを切れないトルーマン政権。スターリンに疎まれる自主独立の中国共産党と毛沢東。巨人たちが激突する!スターリンが、金日成が、トルーマンが、マッカーサーが、毛沢東が、そして凍土に消えた名もなき兵士たちが、血の肉声をもって語るあの戦争―。

目次

第7部 三十八度線の北へ(承前)
第8部 中国の参戦
第9部 中国軍との戦い方を知る―双子トンネル、原州、砥平里
第10部 マッカーサー対トルーマン
第11部 結末

著者等紹介

ハルバースタム,デイヴィッド[ハルバースタム,デイヴィッド][Halberstam,David]
作家。アメリカが生んだ最も偉大なジャーナリスト。1955年にハーバード大学を卒業後、『ニューヨーク・タイムズ』入社、ベトナム特派員としての経験と広範な取材をもとに、ケネディ政権がベトナムの悲劇に突き進む様を描いた『ベスト&ブライテスト』(1972年)で大きな賞賛をあびる。以降、徹底したインタビューと、エピソードを積み重ねるニュージャーナリズムと呼ばれる手法で、アメリカのメディア産業の勃興を描いた『メディアの権力』(1979年)、日米自動車戦争を描いた『覇者の驕り』(1986年)など、骨太な現代史のテーマを次々とものにした

山田耕介[ヤマダコウスケ]
1935年生まれ。元東京新聞・中日新聞記者。香港支局、マニラ支局長などを経て翻訳業

山田侑平[ヤマダユウヘイ]
1938年生まれ。人間総合科学大学名誉教授。元共同通信記者。ニューヨーク支局員、ブリュッセル支局長などを経て、2000年から人間総合科学大学で教鞭をとる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

40
アメリカ現代史のブラックホールとも呼ばれた朝鮮戦争。誤算に次ぐ誤算だった展開を読むにつれ、無能な指導者の下で亡くなった兵士たちの死が虚しく感じます。米国の参戦はないと見て北朝鮮の進軍を許したスターリン、中国の参戦はないと見ていたマッカーサー、米国の反撃を甘く見て多大な損害を被った毛沢東。とりわけ自信過剰で自己中心的だったマッカーサー批判は痛烈。その老害ぶりがあからさまに描かれています。当事者である朝鮮人たちの記述が少ないのは、この戦争が米ソ中の3国の代理戦争だったということの証左とも言えそうです。2016/11/25

紙狸

21
2009年刊行。2007年に交通事故死したハルバースタムの遺作。再読した。朝鮮戦争をアメリカ軍の視点から描いたノンフィクション。以前読んだ際には印象に残らなかったのだが、終わりに近い章で朝鮮戦争が中国になにをもたらしたかを書いていて、結構読ませる。建国直後の中国軍が参戦して米軍主体の国連軍を押し戻した。「中国人にとっては誇るべき成功」「古い国の新しい歴史の充実した部分」。毛沢東が自信を持ちすぎ、皇帝のようになり、大躍進という無茶な政策に突き進んでいったーと描く。なるほどこれは毛沢東についての一つの見識か。2023/08/13

かんやん

17
中国の参戦により北上を続ける国連軍は壊滅的な敗走を強いられる。これは戦争というより虐殺ではないか。しかし、リッジウェイの着任により、アメリカも戦線を整える。質的な弱みを人数でカバーする中国軍。戦況は膠着し、消耗戦の様相を呈する。著者は最も過酷な最前線に読者を無防備なまま投げ出すかと思えば、現代へと続く政治の裂け目をえぐり取る。これほどのジャーナリストはちょっといない。『失敗の本質』を思い出すのは、リーダー論、組織論、戦略論として優れ、ビジネス書としても読めるから。しかし、韓国民衆の姿はここにはない。2018/06/14

モリータ

15
大戦後、長期民主党政権の疲弊と新たな冷戦への移行にともなう中ソ共産主義への姿勢が定まらず、極東で絶大な権力を持った将軍を統率することができないまま、遠隔の地で戦略でも戦術でも後手後手に回ったアメリカ。本国の政治家・参謀、現地の司令官・将兵の絶望的な齟齬。それは朝鮮戦争で初めて生じたものではなく、大戦中(特に初期)にもそこここで存在し、アメリカの戦いにも様々なレベルの非合理があったのだと想像される。そして中国との戦争が死んだ歴史となって教訓として生かされないままベトナムの泥沼に踏み込んだという指摘が痛烈。2017/06/21

sibasiba

8
徹底的にアメリカの話だったな。マッカーサー解任がクライマックスだし。しかし自分がひねくれているだけなんだろうが歴史的に勝者であるトルーマンという筋書きはしらけるな。リンカーンとマクレンの関係を自分とマッカーサーに擬すトルーマンはひどく醜悪に感じる。70越えて巨大な問題であった将軍を承知していながら曖昧に逃げていた挙句の破局じゃないか。描かれている事より書かれてない事を常に意識される読書だった。ノンフィクションも物語という当然のことを改めて感じた。結局はベトナムに行き着くのだね。2016/03/04

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