山本七平ライブラリー<br> 「空気」の研究

山本七平ライブラリー
「空気」の研究

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  • サイズ B6判/ページ数 389p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784163646107
  • NDC分類 304
  • Cコード C0336

出版社内容情報

日本の現代史は常に「その場の空気」という怪物に支配されてきた。この超論理的存在のメカニズムを徹底解明した「山本日本学」の頂点

内容説明

日本人を呪縛する「その場の空気」という怪物!「空気」とは何か?この超論理的存在の発生から支配にいたるメカニズムを根底から解明した「山本日本学」の決定版。

目次

「空気」の研究(「空気」の研究;「水=通常性」の研究;日本的根本主義について)
「あたりまえ」の研究(指導者の条件;世論というものは;国境を出れば)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5
日本人の集団意思決定原理を「空気」と「水」という概念で説明しています。実証的な研究ではないのですが、日本人として直感的に納得できる部分があります。第一章の「空気の研究」はすんなり入ってきたのですが、次の章の「水=通常性の研究」では、どこか飛躍なのかねじれなのか、よくわからなくなってきて、どうして「水」が「空気」を醸成する下地となるのかはよくわかりませんでした。ジグソーパズルのピースが途中から合わなくなってきて、絵が完成できないような読後感。 2014/12/16

ヒダン

5
「空気」は「水を差す」ことにより解消するが、『「水」とはいわば「現実」、「通常性」であり、この通常性がまた「空気」醸成の基であることを忘れていたわけである。そして、日本の通常性とは、実は、個人の自由を許さない「父と子の隠し合い」の世界であり、従ってそれは集団内の状況倫理による私的信義絶対の世界になって行くわけである。そしてこの情況倫理とは実は「空気」を生み出す温床である』。この『「虚構の支配機構」から脱却しうる唯一の道は、あらゆる拘束を自らの意思で断ち切った「思考の自由」とそれに基づく模索だけである。』2013/01/24

tochork

5
「空気」とはKYの"空気"のこと。本書は日本に充満しているこの独特な宗教を分析している。 曰く、空気とは事象に付加的にひっついている我々の同情が生んだ拘束装置だ、と。空気は我々に合理的であらぬことを強制しつつそこに拘束力を生み出す化け物である。さて、「空気」をどう対処すれば、我々は理性的に動けるのだろうか……。2011/01/14

金光 真佐一

4
ある存在を絶対化し、それに反する考えを封鎖する。今から少し前に書かれた本のはずなのに、今も変わらず空気が支配し続ける。かくいう僕も、空気に支配され続けている。会議の多数決は、議場の表決と会議が終わったあとの居酒屋での表決を合計したほうが正確なはず…というのは、笑いを誘うが笑えない。2013/08/26

tnk.UZ

4
全体的には決して読みやすいとは言えないですが、内容的には深いです。我々日本人の行動や思考を規定する、宗教や感性以上の「空気」の存在と、同じく普遍的に存在する「水」との対比が面白かったです。読み始めて1年以上かかってようやく読み終えることができました。この本の解説本があると嬉しいです。2010/12/14

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