内容説明
UFO、占い、家族…30歳を前にした会社員・果絵と周囲の人々をつなぐ、いくつもの見えないしるし。悩みがないわけじゃない。でも、いいあらわせない大切なものが輝きはじめる。街と人々をやさしく包みこむ、著者の新たなる傑作。
著者等紹介
柴崎友香[シバサキトモカ]
1973年生まれ。大阪府出身。2000年、『きょうのできごと』でデビュー。07年、『その街の今は』で第23回織田作之助賞大賞、第57回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なゆ
64
特に何が起こるわけでもなく、ただただ29歳OLの果絵の日常と心境を細やかにつぶさに綴られている。淡々としてるのに、心地いいのはなんなんだろう。あの年頃のあの言葉にならないような漠然とした不安?そのモヤモヤさもよく表れてたような。祖父に対する不思議な感情には共感。〝おるときはおらへんかったのに、おらんようになったらおるっていうか〟あと、あちこち眺めるいちいちどうでもいいような描写が、好き。意外と、そういう光景のほうが記憶に残ってるよな、とか思ったり。タイミングが妙で人懐っこいカツオ、面白いヤツやったな。2017/01/06
ぶんこ
23
う〜ん、何を言いたいのか? 書きたかったのか? 29歳一般事務女性の日常? 共感出来るところがまったくなかったです。 何だか高校生、大学生の、仲間どうしでダラ〜ンとつるんだ、目的を持たない青春という感じで、とても29歳とは思えませんでした。 私が手厳しすぎるのか? まず、身の廻りの整理整頓から始めたらと言いたくなりました。 私には合わない作家さんだという事は分かりました。2014/05/30
巨峰
22
怪しげな勧誘が行われているスタバが、家のすぐ近くだったりw実際、ありそうですなww殆ど自分の行動圏と重なっているのでそういう意味ではおもちろい。祖父が死んだり、知り合いが金を持ち逃げされたり、会社が移転したり、宇宙人に襲われかけたりと非日常の出来事が続くけど、柴崎さんの描写は日常的で平坦な感じ。文章の裏の気持ちを読み取れればいい本なのでしょうが、ちょっと無理でした。2011/09/04
しょこら★
17
よくある、アラサーの、先の見えない、漠然とした不安の話。ゆらゆら、したいことも、しなきゃいけないことも分からなくて。でも、たどり着く先はなんとなく見えてる。淡々と、なんか息苦しい感じ。2013/08/04
chi.
15
三十歳を前にした女性は悩み盛り。恋愛、仕事、結婚、子育て、嫁姑、老後…etc。あまり会うことのなかった祖父が亡くなったり、職場の人に勧められたヒーリングに行ったり、占いに行ってみたりと三十歳を前にした果絵の日常の一部分が描かれる。「もしかして、神さまに祈ったり願ったりするのは、こういう感じかもしれない、と思った。どこかで、自分を見ていてくれたらいいのにって思うような、そういうの。」2019/07/31