出版社内容情報
私の名はアイリーンといった。あるクリスマスイブの夜まで……。矯正施設の事務員として退屈な日々を過ごす私。だが、魅惑的な女性レベッカに出会い、私の人生は劇的に変わる。鋭い観察眼と容赦ない筆致で黒い感情を掻き立てる、アメリカの新鋭のデビュー長篇
内容説明
アイリーンは平凡で物静かな女に見えた。だが、内には激しい感情を抱え、自分だけのルールに従って生きていた。酒浸りの父親を憎み、自分の女らしさも嫌悪した。ろくに食事をせず、母親が遺したサイズの合わない服を着た。シャワーは浴びず、体の汚れはできるかぎり我慢するのを好んだ。彼女が「監獄」と呼ぶ少年矯正施設で働くときは、ひとりで、同僚や少年たちの妄想を膨らませていた。単調につづく彼女の人生に転機は突然やってくる。魅力的な女性レベッカとともに、取り返しのつかないかたちで―強烈なまでに暗く屈折しつつ、たくましくもある等身大の女性を描き出すアメリカの新鋭のデビュー長篇。PEN/ヘミングウェイ賞受賞、ブッカー賞最終候補。
著者等紹介
モシュフェグ,オテッサ[モシュフェグ,オテッサ] [Moshfegh,Ottessa]
1981年、マサチューセッツ州ボストン生まれ。イラン出身のバイオリン奏者の父と、クロアチア出身のビオラ奏者の母という芸術家の家庭で、12歳のころから創作をはじめた。ブラウン大学で芸術修士号を取得し、数々の短篇小説や実験的な小説を発表して注目を集める。2015年に『アイリーンはもういない』で長篇デビューを果たし、PEN/ヘミングウェイ賞を受賞。さらに、ブッカー賞、全米批評家協会賞、英国推理作家協会ジョン・クリーシー・ダガー賞の最終候補にノミネートされるなど、高い評価を得る
岩瀬徳子[イワセノリコ]
お茶の水女子大学文教育学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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