想像力の文学
猿駅/初恋

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152090133
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

気が狂いそうなほど愛おしく、恐ろしいほどに切ない狂気と抒情の奇蹟的な邂逅を綴った幻想短篇。

内容説明

無人の改札口を出ると、そこはもう一面の猿だった―母への想いを猿の群れに昇華させた「猿駅」、とある村の儀式を通して白い肌の記憶を回想する「初恋」、そして知性化猿ショウちゃんと女子高生・静枝の逃避行を描く幻の未発表中篇「猿はあけぼの」まで十篇を収録。

著者等紹介

田中哲弥[タナカテツヤ]
1963年兵庫県生まれ。関西学院大学卒。1984年、「朝ごはんが食べたい」で星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞後、吉本興業の台本作家などを経て、1993年『大久保町の決闘』で長篇デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

64
10編の小説から成るが、実は表題作「猿駅」「初恋」以外の作品が、ユーモアもあって個人的にはおすすめ。表題作2作は気持ち悪すぎwwまぁ、好きな人はいると思いますよー。表題作で気持ち悪くなった人は取り合えずそれ飛ばして読んでみてください。それにしても、(想像力の文学)というシリーズタイトルに相応しい、こんなのよく想像したよなぁと思う作品がずらりとならんでいて、圧巻です!初読みの作家さんではありますが、他の方の感想にもありますが天才性を感じました。2016/12/15

さっとる◎

40
これは素晴らしい、まさに想像力の文学。白昼のトリップ。だいたい何このタイトル、猿駅て(笑)。興味本意だけで足を踏み入れ、気が付けばもうズブズブの底なし沼にどっぷり浸かっていた。キテレツな発想が見せる異形の悪夢。グロくてエロくて滑稽なのに物悲しい。バカバカしいのに必死さがリアリティ。だからこそ恐ろしい。広がる一面の猿って光景が、俎に乗せられた初恋の人が、浴槽いっぱいの固まった鼻血で動けない男が、その発想が頭に降ってきた瞬間を想像して私はニヤニヤする。どれも良かったがラストの「猿はあけぼの」で泣いた(笑)2017/07/22

miroku

19
確かに初期筒井康隆を思わせる作風だが、スラップスティックによるカタルシスを目的としていない点が明らかに違う。しかし悪夢じみた作品ばかりなのに心に沁みるよなぁ・・・。2013/06/26

ぶんこ

10
最初の超短篇「猿駅」の半分、5ページ目でパス。 あまりなグロさにギブアップ。 図書館リサイクル本で、とても綺麗だったのがうなづけます。 読む人が少なかったか、読んでも数ページで止めた人が多かったのかもしれません。2014/08/29

猫のゆり

10
全編グロ切ねぇ!俎の上の少女も踏み潰される猿も鼻血で固められた話でさえ。この一冊で田中哲弥にはまりそう。マイベストはラストが爽やかな「猿はあけぼの」、妹への思いが切な過ぎる「か」、筒井康隆っぽい現と幻想の境目が崩れていく感覚がたまらない「雨」、「げろめさん」など。「ハイマール祭」や「羊山羊(『虚構機関』収録で既読)」のばかばかしさの中にも男の哀愁?(笑)みたいなのを感じさせる作品も好き。2009/05/30

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