NHKブックス
ロボットという思想―脳と知能の謎に挑む

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140911587
  • NDC分類 548.3
  • Cコード C1350

内容説明

ロボットがココロを持ち、私たち人間とコミュニケーションする日はくるのか。学習し成長するロボットをつくりだすことで、人間の知性と身体の驚くべき関係が見えてきた。赤ちゃんロボット、共感ロボット、サッカーロボットなど、さまざまなロボットを紹介しながら、「人間とは何か」というビックミステリーに迫る。ロボット学の最先端「認知発達ロボティクス」で探る、人間とロボットがともに生きる未来。

目次

第1章 ロボットとは何だろう
第2章 脳と学習の基本を知る
第3章 身体を内側から探る
第4章 身体が脳をつくる
第5章 成長するロボットをつくる
第6章 ココロが生まれる条件を探る
第7章 知能を生み出す困難とは
第8章 人間とロボットがともに生きる
終章 人間学としてのロボティクス

著者等紹介

浅田稔[アサダミノル]
1953年滋賀県生まれ。大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。同大学工学部教授などを経て、97年より同大学大学院工学研究科教授。工学博士。90年代初頭にロボカップを提唱し、NPOロボカップ日本委員会理事、2002~08年までロボカップ国際委員会プレジデント。05年9月より科学技術振興機構(JST)「浅田共創知能システムプロジェクト」研究総括。日本赤ちゃん学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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gushwell

6
著者があとがきで「いかんせん(私は)工学出身なので説明が難しいかもしれません」と書いているとおり、素人の僕には良く理解できない記述もあり、途中で睡魔に襲われてしまうこともありましたが、ロボット工学についての理解を深めることができました。人工知能を作るには体が必要という話は以前別の本で読んだ事がありましたが、なるほどそういうことだったのかと納得しました。浅田博士が目指す、「一から言葉を覚え、人とコミュニケーションできるロボット」がいつか実現できたら素晴らしいでしょうね、2013/09/23

onaka

5
ロボットに知能を宿らせるためには身体の存在がどうしても必要である。その上で、赤ちゃんが発達していく過程をなぞるように、身体を伴った機械学習を設計することが肝要である、、というお話。社会に馴染むロボット実現にはまだいくつかのブレークスルーが必要とは思うが、研究は確実に進んでいる。社会的なインパクトと同時に、自我とは何か?といった哲学的な難問への新たな地平を与えてくれる。刺激的!2014/09/25

S_Tomo🇺🇦🇯🇵

3
阪大のロボット研究というとマツコロイドの石黒浩氏が有名だが、筆者の浅田稔氏は、石黒氏の上司というか石黒氏を阪大に呼んだ人だそうで。この本も阪大での様々なロボット研究を紹介しているのだが、一貫しているのが「ロボットを通じて人間がどのように人間となるか」というテーマ。要は胎児から生まれて乳幼児を経て成育していく中で知能をどのように取得していくのか、という事をロボットを用いて再現・検証していくという事で、人が人になり得るには人という形が必要、という何やら哲学的な話になっている(だからタイトルが「思想」なのかな)2016/03/06

Junji Akechi

2
知能と身体が不可分であること。とりわけ興味深いのは、人間(およびロボット)の共感可能性について。相手の身体運動や情動に対する理解は、自分の中の運動や情動のレパートリーと照らし合わせることで可能になる。つまり共通した身体を持ってこそ、共感が可能になる。人間の面白いところは、その身体によって得られたレパートリーを踏まえ、その共感が言葉という記号だけで可能になる点にあるのではないか。記号のやりとりによって、行動や情動を想起し、照合し、共感する。人間の語りの可能性とは?2012/09/06

issy

2
著者の取り組みは、ロボットを通して人間を知ること。それは、人間にとっての最大の謎「人間とは何か」への挑戦であり、究極的には「人間を作る」試み、とも言える。併せて、ロボットと人間が共生する社会の実現も研究テーマとされている。知的好奇心を刺激される内容ではあるが、一般の人に「で、そんなロボットができて共に生きる社会になったら何が嬉しいの?」と聞かれた場合の答えとしては不十分な印象。2010/10/05

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