NHKブックス<br> 暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る

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暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る

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  • サイズ B6判/ページ数 244p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140910993
  • NDC分類 489.9
  • Cコード C1345

内容説明

私たち人類は、争いの火種もその解消の術も、霊長類として進化する中で獲得してきた。六五〇〇万年前にこの地上に登場した霊長類。彼らは“食”と“性”をめぐる争いを、それぞれの社会性をもって回避してきたのだ。それを受け継ぐ人類は、家族という独自の社会を得るに至る。屋久島のニホンザルやコンゴ民主共和国のゴリラをはじめ、世界中の霊長類の姿を最新の研究成果から明らかにし、人類の社会性の起源に迫る。

目次

第1章 攻撃性をめぐる神話(人類の進化史と攻撃性;狩猟仮説;暴力とは何か)
第2章 食が社会を生んだ(生物がともに生きる意味;食べることによって進化した能力;食物の違いがもたらすもの;ニッチとテリトリー;昼の世界が集団生活を生んだ;食物と捕食者の影響;食物をめぐる争いと社会性の進化)
第3章 性をめぐる争い(インセストの回避と社会の進化;ペア生活の進化;メスがオスの共存を左右する;母系と父系;娘と息子のゆくえ)
第4章 サルはどうやって葛藤を解決しているか(優劣順位とは何か;所有をめぐる争い;和解の方法;食物を分配する類人猿;性の相手は分けられない)
第5章 暴力の自然誌―子殺しから戦争まで(子殺しと社会の変異;人間はどう進化してきたか;家族と不思議な生活史;分かち合う社会;戦いの本質とは何か)

著者等紹介

山極寿一[ヤマギワジュイチ]
1952年東京生まれ。京都大学大学院博士課程修了。理学博士。現在、京都大学大学院理学研究科教授。日本霊長類学会会長。専攻は霊長類社会生態学、人類進化論。長年にわたり、フィールドにて野生のニホンザルやチンパンジー、ゴリラの社会的行動の姿を追うとともに、その保護活動でも国際的に活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

43
前半はサルたちの食や性を巡る群れ内での葛藤、争い、暴力、子殺しなどについての観察や考察。これを読んでいるとゴリラのファンになってしまう。ゴリラのリーダーって怖い独裁的なイメージがあったけれど、ニホンザルの群れなどに比べると非常に平等な社会なんだと知ることが出来た。最終章では人類がなぜ集団で争うようになったのか、今のような戦争が起こるようになったのかに対する考察。コツコツと農耕し土地を大事にする、先祖を敬うなど美徳とされていることが権力者たちに利用され戦争に参加させられるようになる仕組みにはゾッとした。2016/01/31

ヨッフム

15
霊長類研究の最前線から、ヒトの暴力の起源を探る、というのが本書のテーマ。本題に入る前、そもそも霊長類が夜行性で、昆虫食→果実食→葉食と、採食の変化によって、昼に行動する種が増え、捕食者から身を守るために、群れが生まれた、という説が面白い。群れを作る、と言うことは、捕食される危険は減るものの、群れの内部で、限られた資源、食と性を巡る争いが起きる、という新たな問題を霊長類につきつける。霊長類達は、どうやってこの葛藤を解決するのかを探ってゆく。サルの世界の近親相姦の回避現象が、とても複雑なメカニズムで興味深い。2015/01/28

Bartleby

12
人間社会を考えたいときにいつもお世話になる霊長類学。基本的にチンパンジーやボノボの群れと似ているが、人間がいかに極端に走る生き物かが浮き彫りになる。他の動物は論理的でしかありえないが、人間は論理的でなくなることもできる。よく言えば柔軟。でもそれが暴力と結びつくとぞっとする。それから、「墓」が代々の土地所有を正当化するために作られたという指摘には、どうしてそんな当たり前のことに気がつかなかったのかとちょっと悔しくもあった。死者を弔うという行為に政治的な側面がないはずはない。2023/04/20

びすけっと

12
2007年12月刊。著者新聞インタビューつながり。折しもイスラエルによる爆撃と、首相による日本の平和憲法の解体。なぜ人間は暴力に訴えようとするのかを知りたいと思いこの本を開きました。ゴリラやサルなどの行動と生態、霊長類の進化の過程からヒトの暴力をひもときます。「食と性」生きることと世代を繫ぐことが重要な要因と説きます。家族という性の禁忌を獲得しつつ、共同のために所有を覚えたヒト。ヒトの大きすぎる共同体の縄張り争いを解決する手立てとしての暴力と読めました。戦いを滅多にしないゴリラのように生きられたらなあ。 2014/08/07

きなこ

10
多分素晴らしい本なんだけど、私が求めていたものとは違った。なんか違うタイトルだったらきっともっとふさわしい人が手に取るのになあ。ほとんど猿とかゴリラとかの話で、飽きてしまった。人類について書いてあるのは最初と最後だけ。その、続きが読みたい。2015/10/18

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