出版社内容情報
私たちにとって、墓とは何か?
時の権力や死生観、土地や風土に根ざした文化によって、日本ではじつに多様な葬送文化が育まれてきた。
だが、過疎化や高齢化により、今その文化が風前の灯となっている。
土葬の現在から、肉体と魂を分けて埋葬する「両墓制」、沖縄の風葬やアイヌの男女別葬、
無数の遺骨を粉末状にして固めた「骨仏(こつぼとけ)」まで――。
全国各地を歩いて取材した僧侶が、知られざる弔いのかたちを写真とともに明らかにしながら、
日本人がいかにして死と向き合ってきたかを問いなおす。
内容説明
時の権力や死生観、土地や風土に根ざした習俗によって、日本ではじつに多様な葬送文化が育まれてきたのをご存じだろうか。土葬の現在から、肉体と魂を分けて埋葬する「両墓制」、沖縄の風葬やアイヌの男女別葬、無数の遺骨を粉末状にして固めた「骨仏」まで。全国各地を取材した著者が、滅びゆく日本の弔いの形を通して、日本人がいかにして死と向き合ってきたかを問いなおす。
目次
第1章 私たちにとって「墓」とは何か―墓制史が教える日本人の死生観
第2章 滅びる土葬、増える土葬―土葬の現在
第3章 捨てる墓、詣る墓―消えゆく「両墓制」
第4章 権力と墓―生き様を映し出す鏡として
第5章 独自の意匠をもつ“北”と“南”の墓―奄美、沖縄、アイヌの弔い
第6章 生きた証としての墓、証を残さない墓―骨仏からコンポスト葬まで
著者等紹介
鵜飼秀徳[ウカイヒデノリ]
京都・嵯峨の正覚寺に生まれる。成城大学文芸学部卒業後、新聞記者・雑誌編集者に。オウム真理教事件、東日本大震災、チェルノブイリ原子力発電所、北方領土など国内外の多くの取材現場に足を運ぶ。2018年に独立。2021年に正覚寺住職に就任(三十三世)。主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆、講演を続ける。近年は企業や大学などと連携し、「寺院再生を通じた地方創生」に携わる。大正大学招聘教授、東京農業大学・佛教大学非常勤講師。一般社団法人良いお寺研究会代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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