遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える

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  • サイズ B6判/ページ数 355,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784140814550
  • NDC分類 491.69
  • Cコード C0040

内容説明

私たちはまさに医療革命の前線にいる。「サイズの決まった既製服を押しつける画一的な医療」から、「遺伝子レベルでの個人の違いに合わせる医療」へと、大きく転換していく流れの先頭に―癌、心臓疾患、アルツハイマーなど、私たちを脅かすリスクについて事前に知ることができるとしたら、傍観者のままでいられるだろうか?個人個人の遺伝子を解析し、それぞれに適した治療や薬を処方する「パーソナルゲノム医療」時代は、もはや始まっている。国際ヒトゲノム・プロジェクトを率いたトップ・サイエンティストが、遺伝子医療の未来をユーモアたっぷりに解き明かす、希望にあふれたサイエンス書。

目次

序章 もう、知らないではすまされない
1章 未来はとっくにはじまっている
2章 遺伝子のエラーがあなたに出るとき
3章 あなたの秘密を知るときがきた?
4章 癌はパーソナルな病気である
5章 人種と遺伝子
6章 感染症と遺伝子
7章 脳と遺伝子
8章 老化と遺伝子
9章 あなたの遺伝子にふさわしい薬をふさわしい量で
10章 一人ひとりが主役の未来へ

著者等紹介

コリンズ,フランシス・S.[コリンズ,フランシスS.][Collins,Francis S.]
遺伝学者、医学博士。イェール大学にて物理化学の博士号、ノースカロライナ大学にて医学博士号取得。イェール大学、ミシガン大学での研究生活を経て、1993年から2008年にかけて米国立ヒトゲノム研究所所長に。在任中、国際ヒトゲノム・プロジェクトの代表もつとめる。2009年より米国立衛生研究所(NIH)所長就任。ハッチンソン=ギルフォード症候群、嚢包性線維腫症、神経線維腫症、2型糖尿病をはじめ様々な遺伝性疾患の疾病遺伝子の発見に関わるなど、その業績は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mackane

10
邦題の通り、まさに「革命」といっても過言ではないことが、医療の世界で起きている。従来の病気の分け方、治療の仕方、医者の役割を変え、個々の遺伝情報に合わせた予防と投薬がヘルスケアの中心となっていく。さらには、結婚・出産を始め、人の価値基準へ影響し、保険も変わる。長年、ヒトゲノムプロジェクト代表を勤め、その解読に導いた最前線の著者による、非常にわかりやすい遺伝子医療の入門書。ゲノム解読が医療にもたらしている成果と課題について大枠と詳細を知ることができる。先の世界に心踊り、考えさせられながら一気に読めた。2013/12/21

C-biscuit

7
アンジェリーナ・ジョリーが両乳腺を切除した話があったが、アメリカではこのような遺伝子医療が進んでいるとを感じる本である。そのBRCA1遺伝子の変異も論じられており、多くの病気は遺伝子に起因している。興味深いところがあった。牛乳を消化する酵素ラクターゼは共通祖先は授乳期をすぎるころで、体内生産をやめてしまう。しかし、ヨーロッパ中東に移動した集団は、ラクターゼを作る遺伝子に変異があり、作り続けるらしい。やはり、日本人には牛乳は遺伝子レベルで合わないようである。妙に納得できる部分である。2015/04/18

ケニオミ

7
昨年転職してゲノム関係の研究所で事務員として勤めています。今までゲノム関係とは無縁の職場に勤めていたため、予備知識を増やし、仕事の効率を上げるため、日経新聞で紹介されていた本書を手に取りました。ご存じの通り、ゲノム関係の研究は最近急速に進んでおり、自分の遺伝子を知ることで、将来発症が予想される病気を知ることができるようになりました。それは、自分自身のためばかりでなく、自分の子供が発症するかもしれない病気を知ることにもつながることがよく分かる良書でした。事例が多く、大変読みやすい本です。機会があれば是非。2013/03/03

すずゆー

4
個人のゲノム(=パーソナルゲノム)を分析することで癌や心臓病をはじめとする遺伝病のリスクを知り、対策することができる。また、治療にあたっても遺伝子的に効果的な薬を投与すること(薬理ゲノム学)も可能だろうとのこと。これまでの画一的な医療から、個人の違いを認めて健康を保つ方法を指導する医療へと大きく転換するのだという。ほとんどがアメリカの内容とは言え、10年ほど前の内容で様々な実例がある。現在の日本ではどこまでパーソナルゲノム医療が進んでいるのだろうか。2021/07/04

ochibii

4
コリンズ二冊目。非常に明快な文章で、最先端の医療の現在と未来について惜しみなく語る。アメリカでの医療現場でゲノム研究と医療がどのように交錯しているかがよくわかる。繰り返し、遺伝子医療に関して監督機関を設けることの重要性を説いていて、本人も努力している。どうも人間は自分の利益を守ることのほうに躍起になるよう。 一番信頼できて簡単に手に入る遺伝子医療の資料は家族の病歴だというのが目からウロコだった。 新聞で遺伝子検査はあまり信用するなという記事あったけど、それとこの本と合わせて読まないともったいない気がする。2011/03/22

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