出版社内容情報
近代朝鮮の文学,小説の誕生と展開をめぐって,近代とは何かという問いから照らし出す.近代小説の形成を,西洋的小説(novel)の誕生を基準に論じるのではなく,1890年代以降の朝鮮においてストーリー性を持つ文学作品がいかに生まれて定着したか,メディアに着目し朝鮮社会の文脈のなかで問い直す.
目次
第1部 近代的文学制度の誕生と文化地形図の変化(近代メデイアの誕生と「雑報」および小説の登場;近代作家の誕生と著作の権利;近代読者の形成と創作参与制度の定着)
第2部 近代民族語の形成と近代文学の文体の成立(国漢文体およびハングル体の登場;近代メディアの言語選択とその意味;近代的表記法の多様化とハングル小説の定着過程)
第3部 近代叙事の展開と小説様式の変移(新小説概念の変化と文学史的意味;短編小説の登場と叙事類型の多様化;叙事の長型化と近代長編小説の展開)
制度・言語・様式の地形図
著者等紹介
金栄敏[キムヨンミン]
1955年韓国ソウル生まれ。延世大学校国語国文学科卒業、同大学院国語国文学科修了。文学博士。延世大学校国語国文学科教授。2007年に韓国研究財団国家碩学に選定され、2008年に延世大学校アンダーウッド特勲教授に選定される。専攻は、韓国近代文学
三ツ井崇[ミツイタカシ]
1974年福井県生まれ。横浜国立大学教育学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。同志社大学専任講師、准教授を経て、2010年より東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻は、朝鮮近現代教育・文化史、言語社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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