東大の教室で『赤毛のアン』を読む―英文学を遊ぶ9章+授業のあとのオマケつき (増補版)

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東大の教室で『赤毛のアン』を読む―英文学を遊ぶ9章+授業のあとのオマケつき (増補版)

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  • サイズ A5判/ページ数 215p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784130830652
  • NDC分類 930.4
  • Cコード C1097

出版社内容情報

村岡花子訳『赤毛のアン』でカットされた原文の謎をはじめ、英文学を楽しむポイントを講義。あらたに翻訳論を増補した決定版。

村岡花子の名訳『赤毛のアン』には,原文のある重要箇所がカットされている.その「なぜ」を追うことからみえてくる,「小説というくわだて」を構成するいくつかのカギ…….「アン」のほか,ホビット,ジェイン・エアなどを題材に,英文学を楽しむポイントを講義.翻訳論の「オマケ」を増補した決定版.

1 場面のポイントを読み取る――駅長はなぜ孤児を隠していないのか?
ロミオは実在の人物か?/漱石の創作メモ/彼は絶望していた?/作家のもくろみを読む/L・M・モンゴメリー/もらい手のなかった『赤毛のアン』/赤毛のアン登場/過剰なものは解釈を誘発する/駅長のはずむ心/careless は「不注意」か?/マシューと駅長のコントラスト
2 伝統を読み解く――主人公はなぜ「押し入り」なのか?
作家トールキンの誕生/中年ホビット卒倒す/いざ冒険の旅に!/その前に英語の冒険が……/「押し入り」にされたビルボ/作者と主人公の心理バトル/格式と冒険/イギリスでいちばん有名な「押し入り」/格式を破壊するもの
3 英語で遊ぶトールキン――ユーモアはファンタジーを破壊するか?
3匹のよたもの/ビルボのお料理自慢/英雄ビルボ/翻訳者の愛/暗闇のなぞなぞ合戦/ゴクリ、ゴラム、ゴルーム/ススススス/冗談みたい!/ユーモアは魔法を破壊する?/エッセイの宿題
4 『赤毛のアン』の謎――村岡花子はなぜ「マリラの告白」を訳さなかったのか?
孤児の物語/村岡花子と『赤毛のアン』/連作の短編小説集/『赤毛のアン』の謎/マリラの告白/マリラはどんな人物か/村岡マリラ/村岡マリラの告白/優しいマリラ
5 『アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ』の謎
   ――モンゴメリーはなぜマリラの「告白」をカットしなかったのか?
日本における『アン』人気/英語でもこわいおばあさん?/マリラの「格式」と「冒険」/アンか教会か?/マリラが主人公!/「自己発見」のパターン/スクルージの大変貌/「善」とは何か?/マリラはなぜ「告白」するのか?
6 語り手の謎――語っているのはどんな人?
「鳩の穴」/肌に粟を生ず/ねえ、あなた……/3人称が語る?/「悪女」とは何か?/One Year Later/
一年ののち/語り手とは男か、女か?/感覚のアンテナ
7 さまざまな視点――笑うべきか泣くべきか、それが問題だ
紳士へのあこがれ/ジョー登場/ライナスの毛皮/コミック作家ディケンズ/あたくし、生まれも育ちも湿地です/ディケンズと視点の操作/ドラマテッティク・アイロニー/おもしろうて、やがて悲しき……/「目ざめ物語」の縮小コピー
8 名作と映画――映画はどこまで原作を裏切るか?
天の声? 人の声?/玉の輿に乗った孤児/4種類の映画バージョン/ジェイン! ジェイン! ジェイン!/現実か? 超現実か?/悩める映画監督たち
9 プロットを評価する――『ジェイン・エア』はオカルト小説家か?

内容説明

ホビットの「言葉遊び」、村岡訳「赤毛のアン」が原作から省いた一節などから、小説という技とシカケの宝箱を開ける、東大講義英文学の読み方入門。翻訳論のオマケつき!

目次

1 場面のポイントを読み取る―駅長はなぜ孤児を隠していないのか?
2 伝統を読み解く―主人公はなぜ「押し入り」なのか?
3 英語で遊ぶトールキン―ユーモアはファンタジーを破壊するか?
4 『赤毛のアン』の謎―村岡花子はなぜ「マリラの告白」を訳さなかったのか?
5 『アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ』の謎―モンゴメリーはなぜ「マリラの告白」をカットしなかったのか?
6 語り手の謎―語っているのはどんな人?
7 さまざまな視点―笑うべきか泣くべきか、それが問題だ!
8 名作と映画―映画はどこまで原作を裏切るか?
9 プロットを評価する―『ジェイン・エア』はオカルト小説か?
おまけ 解釈から翻訳へ

著者等紹介

山本史郎[ヤマモトシロウ]
1954年生まれ、東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mijas

45
先生と生徒の対話による授業スタイル。なぜ村岡訳『赤毛のアン』でマリラの告白が省略されているのか?映画を観た時、この場面のマリラの台詞に泣いた事を思い出した。本書では「村岡マリラ」を登場させて読み解く。人の気付かなかった事を見抜き、それが真実であると人に説得できるように論理を組み立てる事が学問だと先生は言う。結論はどうあれ論理のプロセスを楽しめる。先生の言い回しも面白い。『ジェイン・エア』を「気味の悪い恐怖小説」という先生。ロチェスターの謎の声は、言われてみれば確かに怖い。なるほど「19世紀の時代霊」とは!2015/12/04

るんるん

27
図書館で立ち読み。おもしろそうだったので借りました。人物造形から作者の意図を想像する、文学の楽しみかたを、「赤毛のアン」「ホビット「クリスマスキャロル」などの原作や翻訳本を使って、所々に先生と学生の対話をもりこみながら丁寧にわかりやすく解説している。立ち読みして、まず目にとまったのは、村岡花子訳の赤毛のアンと原作との違い。なぜ、マリラの告白を省略して翻訳したのか。ほんとのところは、本人にしかわからないことだろうが、疑問の目のつけどころ考察の過程と辿り着く結論が学問における文学なんだなぁ、感じ入りました。2015/01/25

よし

4
「村岡花子はなぜ「マリラの告白」を訳さなかったのか?」この謎が知りたかった。「原作がアンのシンデレラ物語とマリラの心の成長物語という二つの面を持っているのに対して、村岡翻訳ではマリラの物語がかなり希薄化され、シンデレラ物語の比重がぐんと大きくなっている。それと表裏一体の関係にあるのが、マリラの口調である。日本のおとぎ話で用いられる一つの範型にぴったりの口調があたえられている。」そういうことだったのか。とても腑に落ちた。語り手の謎・・さまざまな視点論やジェーン・エアの原作と映画の違いも面白かった。2019/06/14

Hiro

3
何と言っても村岡花子訳赤毛のアンの真相に迫った部分が読みどころ。マリラを主役に据えた読みは鋭い、感心した。わが寵愛のジェインエアを論じた章も興味深い。私はヒロインに呼びかけるロチェスターの声を長年違和感なく受け取っていたのだけれど。自分のナイーヴさにがっかり。近年の英文学研究の一端を色々教えられ私にはとても有意義であった。本書に限らず最近の入門書や教養書には学校の先生が日頃の授業を編集して本にしたものが目に付く。出す方にとって論文を書くのとどちらがいいのか分からないがこうした本が増えていくことを望む。2022/06/12

みゆき

2
「ロミオは実際の人間ではないのだからそうした扱いをしてはいけない」 という言葉にはっとした。これが文学《研究》かあ。2015/02/08

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