出版社内容情報
詩的な声に耳をすませば、私たちと世界の関係が違ったふうに見えてくる。「詩」に独特の感性を鍛えるレッスン。
名前をつける,数え上げる,恥じる,などの切り口から日常に詩のタネを探してみよう.萩原朔太郎,伊藤比呂美,谷川俊太郎といった教科書の詩人のここを読んでみよう.詩的な声に耳を澄ませば,私たちと世界の関係がちがったふうに見えてくる.言葉の感性を磨くレッスン.
はじめに――詩の「香り」にだまされないために
I 日常に詩は“起きている”――生活篇
第1章 名前をつける――阿久悠「ペッパー警部」,金子光晴「おっとせい」,川崎洋「海」,梶井基次郎「檸檬」ほか
第2章 声が聞こえてくる――宮沢賢治「なめとこ山の熊」,大江健三郎『洪水はわが魂に及び』,宗左近「来歴」
第3章 言葉をならべる――新川和江「土へのオード」,西脇順三郎『失われた時』,石垣りん「くらし」
第4章 黙る――高村光太郎「牛」
第5章 恥じる――荒川洋治『詩とことば』,山之口貘「牛とまじない」,高橋睦郎「この家は」
II 書かれた詩はどのようにふるまうか――実践編
第6章 品詞が動く――萩原朔太郎「地面の底の病気の顔」
第7章 身だしなみが変わる――伊藤比呂美「きっと便器なんだろう」
第8章 私がいない――西脇順三郎「眼」
第9章 型から始まる――田原「夢の中の木」ほか
第10章 世界に尋ねる――谷川俊太郎「おならうた」「心のスケッチA」「夕焼け」ほか
読書案内
おわりに――詩の出口を見つける
【著者紹介】
阿部 公彦
阿部公彦:東京大学大学院人文社会系研究科准教授
内容説明
ちょっといい感じだけが詩ではない。名前をつける、数え上げる、恥じる―日常にもあった詩のタネ。萩原朔太郎、伊藤比呂美、谷川俊太郎―教科書のあの詩人、ここを読もう。言葉を味わう感性のレッスン。
目次
1 日常にも詩は“起きている”―生活篇(名前をつける;声が聞こえてくる;言葉をならべる;黙る;恥じる)
2 書かれた詩はどのようにふるまうか―読解篇(品詞が動く;身だしなみが変わる;私がいない;型から始まる;世界に尋ねる)
著者等紹介
阿部公彦[アベマサヒコ]
1966年、横浜市生まれ。東京大学文学部准教授。現代英米詩専攻。東京大学大学院修士課程修了、ケンブリッジ大学大学院博士号取得。著書に『文学を“凝視する”』(2012、岩波書店、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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