出版社内容情報
大学における英語と英語文学が専門化していくなか,どのような教育・学習が求められているのか.「語学」,「文学」,さらにはそれに関わる「文化」事象を,同時に,効果的に学習できる授業を実演して,新たな方法論を提案する.教師,そして学生も必読.
目次
序 新しい英語・英語文学の教育をめざして
1時限目 文章理解 テクストの産婆術―物語J.R.R. Tolkien, The Hobbit
2時限目 読解 授業における読解と問題練習―1篇の詩
3時限目 翻訳 ネッシーは何語を話すか―スコットランド・アイルランド・中国の詩と英語
4時限目 テクスト選び 響き合う詩想―詩‘Inglan is a Bitch’
5時限目 コミュニケーション すれ違う意思と会話の変貌―戯曲David Mamet, Oleanna
6時限目 創作 教室の中での言語、文学、創造性―詩‘In the Kitchen’を手がかりに
7時限目 言語・文学・文化 英語のなかの日本―日系人作家の3つの小説
著者等紹介
斎藤兆史[サイトウヨシフミ]
1958年生れ。東京大学大学院総合文化研究科助教授。英語文体論
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感想・レビュー
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サアベドラ
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東大系の教授陣による英語教授法、学習法の一般向け論集。トールキンファンには1章の「テクストの産婆術」という論文が重要で、原書房版ホビットの訳者・山本史郎がホビット終盤部の解釈について論じている。山本史郎と聞くとどうしてもアレなイメージがつきまとうが、一応東大の先生だけあって英文読解力は確か。ホビットを原文で読んでいる人は目を通しておいて損はないのでは。ちなみに、瀬田訳をボコボコにした別宮貞徳氏も『達人に挑戦 実況翻訳教室』でホビット序盤を訳しているので合わせてチェックするといいかもしれない。2012/04/20