出版社内容情報
宇宙の存在は,偶然なのか,必然なのか――ものの大きさに沿って自然界の階層をたどり,それらの相互関係について考える.最新の系外惑星研究やマルチバースの内容も追加し,より読み応えのある内容に充実させた,物理学の面白さを伝える待望の改訂版.
内容説明
私たちの住む宇宙は、偶然なのか?必然なのか?微視的世界と巨視的世界の階層の背後に潜む物理法則は、この宇宙をどこまで記述し尽くすのか?系外惑星、宇宙論、人間原理とマルチバースの話題を大幅に加筆し、現代物理学に基づいた宇宙観・世界観を論ずる書の改訂版。
目次
第1章 科学をする心
第2章 微視的世界の階層
第3章 巨視的世界の階層
第4章 微視的世界と巨視的世界をつなぐ
第5章 宇宙の組成と標準宇宙論モデル
第6章 人間原理とマルチバース
付録 大きな数と小さな数
著者等紹介
須藤靖[ストウヤスシ]
1958年高知県安芸市生まれ。1986年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。現在、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。理学博士。専門は宇宙論・太陽系外惑星の理論的および観測的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やまやま
15
クオークから宇宙まで「大きさ」を順に語っていくと、ウロボロスあるいはマハーバーラタで見られるように始点は終点ともなります。極めて微視的なものが世界につながることを窮(究)理することは著者ならずとも興味をそそられる方はいらっしゃるでしょう。叙述は小さいほうから大きい方に向かいますが、概説書では寂しいと思う方には歯ごたえを楽しめる本です。小は物理法則を信頼してそんなに違和感がないが、大はその支配の信頼性は自明でないように見えるという一般的な感覚も、実はその不自然さこそが安定という逆説になっています。2021/12/13
yooou
4
☆☆☆★★ 難解な数式がたくさん。果たしてこれで読んだといえるのか・・・。そして行き着いた先はマックス・テグマークの唱えるマルチバースそのもの。あそれご本人の著書で読んでましたわ。2022/02/13
Go Extreme
2
科学をする心:科学の存在意義 法医工文 エーテルと宇宙の組成 微視的世界の階層:基本物理定数 ブランクスケール 物質を分割 クォークとコンプオトン散乱 巨視的世界の階層:惑星 衛星 恒星 銀河系 銀河群 銀河団 ハッブルの法則 ハッブルディープフィールド 微視的世界と巨視的世界をつなぐ:物理法則と初期条件 宇宙の階層と基本物理定数 宇宙の組成と標準宇宙論モデル:古代の宇宙論 元素の起源 ダークマター 人間原理とマルチバース:宇宙と世界 物理屋的世界観 宇宙を学び世界を問う 大きな数と小さな数2021/04/01
ゆうやけPC
1
宇宙の中の人間の脳という構造物が宇宙自身をこうやって総括してるってのは本当に不思議なことだ2021/08/13
Steppenwolf
1
ある点からはE別の観点からG評価.ある観点とは物理というより自然哲学としての観点でE,純粋に物理から見ると私には第6章人間原理とマルチバースが荒唐無稽に思えた.しかし,2,3章の計算というか概算から議論する点が参考となり読んで楽しかった.ここらは再読したいとすら思う.写真が多いせいか紙質が他の本より良いようである.講談社のブルーバックス風でもあり,教養としての教科書風でもある.2021/04/11