出版社内容情報
人間と,文化的概念としての自然とのかかわりを,ドメスティケイションの起源や,シュルレアリスムの絵画など,さまざまな視座から犀利に論じ,「自然」の意味を,そのもっとも広汎にして豊かな形で掴みなおす.新たな人類学をめざす意欲的な試み.
内容説明
人間にとって「自然」とは?いま「自然」の意味を問う。ナツメヤシ・オアシスの世界、ドメスティケイションの起源、シュルレアリスムの絵画、ニュー・ネッシー騒動…人間と自然とのかかわりをあらゆる角度から照らしだす。新たな人類学への、意欲的な試み。
目次
第1章 文化人類学における一九二二年の問題
第2章 人類学的「自然」
第3章 ドメスティケイションの「自然」観
第4章 自然と文化のカレードスコープ
第5章 身体という回路
第6章 コスモロジーの構築術
第7章 想像的なもののリアリティ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIRACLE
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2点(5点満点)。社会文化にたいする自然の相対的優位をのべた本。「3章 ドメスティケイションの『自然』観」以外は、とくに読む必要はないだろう。作者は自然(生業)から人間の文化・社会領域の解明を構想している(4章はその実践の試みになっている)。しかしその成果は推測の域を出ておらず、論証できていない。このことは自然の相対的優位という問いの設定に、問題があることを示している。また作者は自然をはじめとする主要概念の定義を怠っている。そのため主張の明快さにくらべ、論述に無理がある。注を設けていない。2012/03/11