出版社内容情報
インディアンは夢のなかで獲物であるトナカイの霊と交流する.海人(あま)は「ヤマタテ」で海のなかの自分の位置を決定する.「人とは何か」を考える一方法として,自然と人間と文化を同一平面上で理解する新しい人類学を,二つのフィールドワークから描きだす.
内容説明
海人(あま)がつかうヤマタテの技、森林インディアンが見るトナカイの夢。自然に密着して生きる人間の行動戦略とは。
目次
第1章 自然と文化の人類学
第2章 海人の自然誌(海人の活動;活動の時間‐空間利用と個人差;個人と集団)
第3章 森林インディアンの自然誌(チペワイアンの活動;チペワイアンの社会構造;チペワイアンの生態と宗教)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラツマピック天国
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学生のときに教科書として買ったのに当時全然読んでなかったので、読んでみました。千葉県の海人さんとカナダのチペワイアンという狩猟先住民を、それぞれ活動という視点で調査し研究した内容です。季節のサイクルや、伝承されている神話が、生態系を破壊しない範囲での漁労や狩猟を可能にしていました。昔から続いている生活の仕方は、長い年月をかけて形になり、それが理にかなってたからこそ今でも続いているんだなぁ、と思いました。そこから考えると、現代社会の生き方なんて、まあ滅んで当たり前ですよね、って悲観的にもなっちゃいます。2020/12/07