環境システム工学―循環型社会のためのライフサイクルアセスメント

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  • サイズ A5判/ページ数 220p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130628082
  • NDC分類 519
  • Cコード C3050

出版社内容情報

「環境の世紀」である21世紀を迎え,持続的発展を可能とする循環型社会を実現するために,工学的イノベーションの刷新が求められている.資源の採取から製造・使用,廃棄までのライフサイクルアセスメントとその拡張手法(Silt手法)を提唱する新時代のテキスト. 

内容説明

地球システムの限界という境界条件のもとで、工学的新技術の導入にあたり、現在から将来にわたる時間軸における影響度と社会全体に普及させた場合の効果量をダイナミックに予測、計量化し、最適な選択肢を与える定量化評価手法―“環境評価システム”が求められていると言えよう。これらの手法を開発し、社会システムとしての普及の最適化を分析する領域を「環境システム工学」と位置づけ、その具体的分析手法を国際標準化機構の定めるライフサイクルアセスメント(LCA)の手法を拡大発展させた“戦略的統合化ライフサイクルアセスメント手法(Strategic Integrated LCA Technology for a Sustainable Society)―Silt手法”と名づけて現在開発中のものも併せてとりまとめたのが本書である。従来、ライフサイクルアセスメントという手法は、ある製品の社会への導入に際し、その構成する材料の採掘から製品使用後の廃棄まで、いわば“ゆりかご”から“墓場”までのトータルのライフを考慮した評価をおこなう手法として発展してきたが、本書においては、各製品の評価を社会全体における影響量として、また、過去から将来への時間軸の中での影響量としてダイナミックに把握する手法に拡大し、今後の技術開発の評価と最適な方向性を与えることを目指している。

目次

1章 地球環境問題(気候変動;地球圏と環境変化 ほか)
2章 環境と社会(環境保全の方策;市場機構による環境保全 ほか)
3章 環境影響評価手法―ライフサイクルアセスメント(ライフサイクルの観点からの環境負荷定量化の必要性;ライフサイクルアセスメント(LCA)の概念 ほか)
4章 LCA手法の拡大(ISO‐LCAから「Strategic Integrated LCA Technology(Silt)」へ
Siltの構築:LCAとポピュレーションバランスモデル(Population Balance Model:PBM)の統合化 ほか)
5章 まとめ(幸運な相続人;環境システム工学)

著者等紹介

足立芳寛[アダチヨシヒロ]
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻教授(環境システム工学講座)。1947年生れ。京都大学工学部卒(工学博士)。通商産業省(現:経済産業省)技術審議官を経て現職。経済産業省産業構造審議会「環境小委員会」委員ほか

松野泰也[マツノヤスナリ]
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻助教授(環境システム工学講座)。1967年生れ。東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻博士課程修了(工学博士)。工業技術院資源環境技術総合研究所、独立行政法人産業総合技術研究所を経て現職。長年にわたり、ライフサイクルアセスメント(LCA)に関する研究に従事

醍醐市朗[ダイゴイチロウ]
東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻助手(環境システム工学講座)。1975年生れ。京都大学大学院エネルギー科学研究科修士課程修了。(株)日本総合研究所を経て現職。環境政策、環境影響評価の分野に従事。長野県飯田市環境専門委員。現在は、持続可能な社会における資源循環に関する研究に従事

滝口博明[タキグチヒロアキ]
環境省地球環境局地球温暖化対策課課長補佐。1964年生れ。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。環境庁(現・環境省)入庁後米国イリノイ大学留学などを経て現職。地球温暖化問題に関する国際交渉を担当
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