分子熱統計力学―化学平衡から反応速度まで

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分子熱統計力学―化学平衡から反応速度まで

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  • サイズ A5判/ページ数 220p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784130625098
  • NDC分類 431.6
  • Cコード C3043

出版社内容情報

実用的ではあるが理解が難しい熱力学と、統計力学をコンパクトに解説したテキスト。分子描像からの理解を重視する。

実用的ではあるが難しい概念の多い熱力学(第I部)と,統計力学(第II部)をコンパクトに解説したテキスト.両者を比較しながら読むことで,理解を深められるよう構成した.分子描像からの理解を重視し,分子動力学シミュレーションへの応用にも対応.

第I部 化学熱力学――マクロの立場から

第1章 熱力学量とその変化
 1.1 系と外界
 1.2 熱力学量と状態方程式
 1.3 圧力と仕事
 1.4 熱と温度
 1.5 可逆過程と不可逆過程
 1.6 示強変数と示量変数

第2章 理想気体と実在気体
 2.1 理想気体
 2.2 ファンデアワールス状態方程式
 2.3 実在気体

第3章 熱力学の法則
 3.1 熱力学第一法則
 3.2 理想気体の等温過程と断熱過程
 3.3 内部エネルギー,熱,仕事の過程依存性
 3.4 熱力学第二法則
 3.5 カルノーサイクル

第4章 自由エネルギー(熱力学ポテンシャル)
 4.1 熱力学ポテンシャルと変化の方向
 4.2 体積変化以外の機械的仕事
 4.3 定積熱容量と定圧熱容量の関係
 4.4 理想気体の内部エネルギーとエントロピー
 4.5 再び示強変数と示量変数について
 4.6 平衡と熱力学的安定性の条件

第5章 相平衡
 5.1 相と相転移
 5.2 相平衡と化学ポテンシャル
 5.3 物質のエンタルピーとエントロピー変化(相転移を経る場合を含む)
 5.4 相境界(共存線)
 5.5 相律
 5.6 界面の熱力学

第6章 理相溶液とその性質
 6.1 濃度の表現
 6.2 部分モル量
 6.3 理想溶液
 6.4 束一的性質

第7章 非理想溶液と相分離
 7.1 希薄溶液でのヘンリー則
 7.2 一般の非理想溶液の取り扱い
 7.3 電解質溶液
 7.4 溶液の安定性と相分離

第8章 化学反応の平衡と速度
 8.1 化学反応におけるエネルギー(熱)収支
 8.2 平衡定数とギブス自由エネルギー
 8.3 化学平衡の圧力依存性と温度依存性
 8.4 分圧以外による平衡定数の表現
 8.5 電極反応
 8.6 化学反応の速度と機構
 8.7 1 次反応と2 次反応
 8.8 平衡近傍の緩和速度

第II部 化学統計力学――ミクロの立場から

第9章 分子の運動と内部自由度
 9.1 簡単な分子描像
 9.2 簡単な分子描像とエネルギー
 9.3 分子の運動
  9.3.1 重心運動の分離
  9.3.2 電子と原子核の運動の分離
  9.3.3 ポテンシャルエネルギー曲面上の運動:分子振動と化学反応
  9.3.4 回転運動の分離
 9.4 2原子分子のエネルギー準位
  9.4.1 並進運動(井戸型ポテンシャル)のエネルギー準位
  9.4.2 回転運動(剛体として)のエネルギー準位
  9.4.3 振動運動のエネルギー準位
  9.4.4 モード間でのエネルギーの交換
 9.5 エネルギーと温度

第10章 ボルツマン分布
 10.1 エネルギー原理
  10.1.1 指数関数分布
  10.1.2 分布が「エネルギーだけで決まっている」ということの意味
  10.1.3 β の決定
 10.2 縮重と縮重度
 10.3 規格化と規格化定数
 10.4 例題
  10.4.1 速度の平均と分散(1 次元の例題)
  10.4.2 3 次元の系の平均速度
  10.4.3 一定のエネルギーを持つE?よりも高い運動エネルギーを持つ確率
 10.5 分配関数
  10.5.1 箱の中の自由粒子のボルツマン分布と分配関数
  10.5.2 等核2 原子分子の回転運動のボルツマン分布と分配関数
  10.5.3 調和振動子のボルツマン分布と分配関数

第11章 状態の数とエントロピー
 11.1 縮重度の一般化
 11.2 状態数と状態密度
 11.3 エントロピーと温度
  11.3.1 温度の背景にある幾何学
  11.3.2 局所的な温度密度と運動エネルギー
 11.4 接触系の状態密度と温度
  11.4.1 最大実現確率の状態を特徴づけるパラメータとしての温度
  11.4.2 エネルギーの流れと温度
 11.5 マクスウェル・ボルツマン分布再訪
 11.6 部分系が経験するゆらぎ
 11.7 自由エネルギーについての「エネルギー原理」

第12章 確率と情報とエントロピー
 12.1 エントロピーの不定性と熱力学第三法則
 12.2 エントロピーありき?
 12.3 エントロピーの確率表現
  12.3.1 部分系が持つエントロピー
  12.3.2 平均エントロピー
 12.4 シャノンのエントロピーと情報量
  12.4.1 情報量と記憶装置の数
  12.4.2 平均エントロピーとシャノンのエントロピー
 12.5 最大エントロピー原理: モードの温度
 12.6 情報欠損と重みつきボルツマン分布

第13章 分配関数
 13.1 エネルギーから温度へ
 13.2 分配関数:離散系
 13.3 分配関数から平均エネルギーと(平均)エントロピーを求める
 13.4 等核2原子分子からなる気体の分配関数
 13.5 分配関数:古典力学の一般形
 13.6 分配関数とヘルムホルツの自由エネルギー

第14章 化学ポテンシャル
 14.1 粒子とエネルギーの出入りを許す集合の分布
 14.2 化学ポテンシャルがある場合の分布関数と分配関数
  14.2.1 大正準集合の分配関数
  14.2.2 粒子数分布関数と平均値
  14.2.3 与えられた温度での最も確からしい粒子数分布
 14.3 気体の化学ポテンシャルとギブズの自由エネルギー
 14.4 物質の混合と化学ポテンシャル
 14.5 ギブス・デュエムの関係式

第15章 化学平衡の分子論
 15.1 平衡分布と平衡定数
 15.2 ル・シャトリエの原理
 15.3 分子論描像の束一的性質
  15.3.1 気体,液体,固体のμ の温度依存性
  15.3.2 3相における化学ポテンシャルの温度依存性のグラフ
  15.3.3 沸点上昇度の評価

第16章 素反応の統計速度論
 16.1 反応速度式と素反応
 16.2 超単純衝突論
 16.3 遷移状態理論(統計化学反応速度理論)
  16.3.1 中間体と多段階平衡
  16.3.2 遷移状態理論による速度式
  16.3.3 遷移状態理論の物理的意味:反応速度を支配する因子
  16.3.4 遷移状態のエントロピー

補遺
 付録A 計算機シミュレーションと統計熱力学
  A.1 計算機シミュレーションとは
  A.2 分子動力学計算機シミュレーションの方法
  A.3 内部エネルギーおよび圧力の計算方法
  A.4 自由エネルギーの計算
 付録B よく使われる単位とその変換
 付録C よく出てくる数式と公式
  C.1 偏微分と全微分
  C.2 ルジャンドル変換
  C.3 ガウス積分
  C.4 スターリングの公式
  C.5 ステップ関数とデルタ関数
  C.6 ラグランジュの未定乗数法220

【著者紹介】
高塚 和夫
高塚和夫:東京大学大学院総合文化研究科教授

目次

第1部 化学熱力学 マクロの立場から(熱力学量とその変化;理想気体と実在気体;熱力学の法則;自由エネルギー(熱力学ポテンシャル)
相平衡
理相溶液とその性質
非理想溶液と相分離
科学反応の平衡と速度)
第2部 化学統計力学 ミクロの立場から(分子の運動と内部自由度;ボルツマン分布;状態の数とエントロピー;確率と情報とエントロピー;分配関数;化学ポテンシャル;化学平衡の分子論;素反応の統計速度論;計算機シミュレーションと熱統計力学;よく使われる単位とその変換;よく出てくる数式と公式)

著者等紹介

高塚和夫[タカツカカズオ]
東京大学大学院総合文化研究科教授(工学博士)。1950年生まれ。1973年大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。1978年大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。1982年分子科学研究所助手。1987年名古屋大学教養部助教授。1992年名古屋大学大学院人間情報学研究科教授。1997年より現職

田中秀樹[タナカヒデキ]
岡山大学理学部教授(工学博士)。1956年生まれ。1979年京都大学工学部工学化学科卒業。1984年京都大学大学院工学研究科博士課程修了。1987年京都大学工学部助手。1998年より現職。2009年~2013年岡山大学大学院自然科学研究科副研究科長。2013年岡山大学理学部長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。