出版社内容情報
リーマン没後150年。ガウス、アーベル、リーマン、ヒルベルト……数学の巨人たちの夢の系譜をたどる。19世紀数学の中核に位置する代数関数論.さまざまな数学者たちが,どのように交わり,また,どのような思考の変遷を経てこの偉大なる理論が形成され,新たな道が拓かれていったのか.リーマンを軸に,論文と史実から読み解かれた数学の世界へ,精密で巧みな文章が読者を誘う.
まえがき
第1章 代数関数とは何か――オイラーの関数概念とその変容
1 関数概念を振り返って
2 関数の世界と曲線の世界
3 ディリクレとコーシーの関数概念
第2章 カナリアのように歌う――リーマンの「面」の発見
1 修行時代
2 ベルリンの数学者たち
3 学位論文まで
4 コーシーの複素関数論
5 リーマン面のアイデアを語る
6 マジョーレ湖畔で終焉を迎える
第3章 楕円関数論のはじまり――楕円積分の等分と変換に関するアーベルの理論
I 楕円関数論の二つの起源――萌芽の発見と虚数乗法論への道
1 楕円関数論の二つの流れ――変換理論と等分理論
2 ファニャノの楕円積分論
3 変換理論の諸相
4 楕円関数の等分に関するアーベルの理論
II クレルレの手紙
1 ペテルブルグとゲッチンゲンからの手紙
2 ヤコビの言葉とルジャンドルの言葉
3 ルジャンドルの所見
4 ベルリンへの招待
III アーベルとルジャンドルの往復書簡より
1 ルジャンドルからアーベルへ(1828年10月25日)
2 アーベルからルジャンドルへ(1828年11月25日)
3 ルジャンドルからアーベルへ(1829年1月16日)
第4章 アーベル関数の理論――ヤコビの逆問題の探究
I 「パリの論文」からアーベル関数論へ
1 代数的微分式の積分
2 アーベルの加法定理
3 加法定理と微分方程式
4 超楕円積分とヤコビ関数
5 ヴァイエルシュトラスとヤコビの逆問題
6 リーマンのアーベル関数論
7 複素多様体と多変数関数論との別れ
II アーベル積分の等分と変換に関するヤコビとエルミートの理論
1 歴史的概観
2 楕円積分と楕円関数
3 アーベル積分とアーベル関数
4 アーベルの加法定理
5 ヤコビの逆問題
6 2変数4重周期関数
7 ヤコビの逆問題とリーマン面
8 超楕円積分の等分と変換
9 隠された領域――数論とアーベル積分論
第5章 多変数代数関数論の夢――リーマンを越えて
1 ガウスの『アリトメチカ研究』とヒルベルトの第12問題
2 岡潔の遺稿「リーマンの定理」と多変数代数関数論の夢
あとがき
参考文献
数学者人名表
索引
Bernhard Riemann and the Theory of Algebraic Functions: The Junction of Modern Mathematics in Western Europe
Masahito TAKASE
高瀬 正仁[タカセ マサヒト]
高瀬 正仁
高瀬正仁:元九州大学教授
内容説明
数学の巨人たちの夢の系譜をたどる。オイラー、ガウス、アーベル、ヤコビ、ヒルベルト、岡潔、…。関数概念のはじまりから、リーマンのアーベル関数論、そして多変数代数関数論へ。論文と史実から読み解かれた数学の世界へ、精密で巧みな文章が読者を誘う。
目次
第1章 代数関数とは何か―オイラーの関数概念とその変容(関数概念を振り返って;関数の世界と曲線の世界 ほか)
第2章 カナリアのように歌う―リーマンの「面」の発見(修業時代;ベルリンの数学者たち ほか)
第3章 楕円関数論のはじまり―楕円関数の等分と変換に関するアーベルの理論(楕円関数論の二つの起源―萌芽の発見と虚数乗法論への道;クレルレの手紙 ほか)
第4章 アーベル関数の理論―ヤコビの逆問題の探究(「パリの論文」からアーベル関数論へ;アーベル積分の等分と変換に関するヤコビとエルミートの理論)
第5章 多変数代数関数論の夢―リーマンを越えて(ガウスの『アリトメチカ研究』とヒルベルトの第12問題;岡潔の遺稿「リーマンの定理」と多変数代数関数論の夢)
著者等紹介
高瀬正仁[タカセマサヒト]
1951年、群馬県勢多郡東村(現在、みどり市)に生まれる。元九州大学教授。数学者、数学史家。専門は多変数関数論と近代数学史。歌誌「風日」同人。2008年、九州大学全学教育優秀授業賞受賞。2009年度日本数学会出版賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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