出版社内容情報
河川は絶えず自然の撹乱を受け,また,人為的な影響を受けている.河川のある時点のある環境が,それ以後人手を加えず遷移したならばどんな状態が出現するであろうか? 本書は,この「潜在自然特性」という概念を基本にすえ,魚類・植生・小動物など,水中と水辺の生物を指標として河川環境を見直す.新しい河川法(1997)のもとで,人と自然はいかに共存すべきか,すべての河川関係者にメッセージをこめて贈る.
内容説明
本書のさきがけとなったのは、東京大学出版会より1993年11月に発行された『河川生態環境工学』である。出版以来、河川工学・水産学の分野を中心として、幸いに好評をもって迎えられてきている。次の段階として環境因子の何に取り組むのがふさわしいかについて議論した結果、河川水域と人間の生活域との中間に存在し、水際や河岸、さらには河畔部の性状を決定している「植生」の効果を知ることが河川生態環境を理解するうえでもっとも重要である、という結論となった。
目次
1 河川生態環境の評価とは
2 河川生態環境を規定する基礎概念
3 河川生態環境調査
4 河川生態環境評価法
5 評価基準の統合化