出版社内容情報
津波堆積物から過去の津波の実態を解き明かす最初の体系書。防災・土地計画関係者必携の書。
過去の津波の実態を解き明かす鍵=津波堆積物を扱った最初の体系書.地震と津波の基礎,津波による侵食・堆積過程から,具体的な調査法・同定法,そして津波の規模の復元にいたるまで,具体的な事例を基に丁寧に解説する.古地震学・堆積学研究者だけでなく広く防災・土地計画関係者にも必携の書.
はじめに
1 津波堆積物とは
1.1 津波堆積物とは何か
1.2 津波堆積物の形成と保存
1.3 イベント堆積物としての津波堆積物
1.4 津波堆積物の研究が注目されるようになったわけ
コラム1 津波の観測
第1章引用文献
2 津波堆積物の研究史
2.1 1980年代以前
2.2 1983年日本海中部地震以降
2.3 2004年インド洋大津波以降
2.4 2011年東北沖津波以降
第2章引用文献
3 地震と津波
3.1 海溝型地震と津波
3.2 津波による災害
第3章引用文献
4 津波による侵食と堆積
4.1 津波による侵食
4.2 津波による堆積
4.3 津波が作るベッドフォーム
4.4 津波堆積物の地層への保存
4.5 津波堆積物の発掘と古地震・津波研究
コラム2 堆積構造から古流向を復元する
コラム3 流れの停滞と再開―マッドドレイプはなぜ保存されるか
第4章引用文献
5 津波堆積物の調査
5.1 調査地の選定
5.2 古津波堆積物の観察
5.3 津波堆積物を識別する指標
5.4 津波堆積物の識別
コラム4 地層の剥ぎ取り試料
第5章引用文献
6 さまざまな津波堆積物
6.1 火山噴火による津波堆積物
6.2 津波石
6.3 生物遺骸の集積からなる津波堆積物
6.4 縄文時代の内湾(溺れ谷)に堆積した津波堆積物
6.5 海底地すべりによる津波堆積物
6.6 1495年明応関東地震を示唆する津波堆積物
コラム5 恐竜は超巨大津波を見たか?
第6章引用文献
7 津波の古生物
7.1 津波による貝類の打ち上げと集積
7.2 沼層の津波堆積物に含まれる貝類群集
7.3 津波堆積物中の微化石
コラム6 津波で形成された化石層
第7章引用文献
8 津波による堆積モデル
8.1 垂直方向のモデル?津波の波形に注目する
8.2 海?陸方向のモデル
8.3 水底の津波堆積物
8.4 湾内での水平変化
8.5 似て非なる堆積物
第8章引用文献
9 津波の規模の復元
9.1 津波の高さなどの定義
9.2 古津波の規模を推定する
コラム7 津波堆積物の層厚は津波規模を表すか??元禄と大正の関東地震による津波堆積物の例
第9章引用文献
10 津波堆積物研究の今後
10.1 分布と年代に関するデータの整備
10.2 津波堆積物の識別
10.3 最大クラスの地震・津波
10.4 より正確な震源や地震規模の復元へ向けて
第10章引用文献
推薦図書
索引
【著者紹介】
藤原 治
藤原 治:国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター研究企画室長
目次
1 津波堆積物とは
2 津波堆積物の研究史
3 地震と津波
4 津波による侵食と堆積
5 津波堆積物の調査
6 さまざまな津波堆積物
7 津波の古生物学
8 津波による堆積モデル
9 津波の規模の復元
10 津波堆積物研究の今後
著者等紹介
藤原治[フジワラオサム]
1967年岡山県に生まれる。1992年東北大学大学院理学研究科博士前期課程修了。2004年博士(理学)(筑波大学)。核燃料サイクル開発機構副主任研究員、産業技術総合研究所活断層・地震研究センター主任研究員等を経て現在、産業技術総合研究所地質調査総合センター研究企画室長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。