出版社内容情報
犯罪捜査や裁判に利用される科学鑑定をおこなう法科学ラボ内の実態を詳細に分析し、法と科学の複雑で多層的な相互作用を描く。科学鑑定をおこなう法科学ラボラトリーの実態を,文化人類学的なフィールドワークの手法を用いて,詳細に分析・解明した民族誌研究.犯罪捜査や裁判に利用される法科学の特性に着目し,ラボ内の実践から国際関係まで,法と科学の複雑で多層的な相互作用を描く.
第1章 科学鑑定を観る視座――ラボラトリーに分け入る
1 法科学とは/2 法科学の歴史/3 法科学に関する科学技術社会論(STS)研究/4 ラボラトリー鑑定分野の複雑性へ/5 ラボラトリー研究の体系―-本書の分析枠組み
第2章 科学鑑定の現場――ニュージーランドの法科学研究所ESR
1 調査対象の背景/2 法科学業務/3 犯罪に関するデータと制度/4 調査方法
第3章 法科学ラボ内の標準化――品質保証におけるマニュアルの作用
1 マニュアルと科学的活動/2 法科学ラボにおける品質保証/3 マニュアルの戦略的利用/4 現実の複雑さへの対応
第4章 科学の異種混合性――異なる鑑定分野はどのように協働するか
1 形か,数か/2 定性的鑑定分野――銃器鑑定/3 定量的鑑定分野――DNA型鑑定/4 二つの「文化」としての定性的科学と定量的科学
第5章 法科学分野間の標準化――DNA型鑑定が変える実践の形
1 科学の協働研究/2 法科学における協働/3 法科学の「DNA型鑑定化」/4 変化する協働の形
第6章 法科学ラボの国際的標準化――科学鑑定の地域性への対応
1 国際的標準化/2 法科学の地域性/3 地域性と国際性の対立/4 国際的監査という戦略/5 普遍的な科学鑑定に向けて
第7章 法科学の「科学化」――なぜ法科学ラボの実践は標準化されるのか
1 ラボの多様性/2 犯罪現場の復元/3 法科学の「科学化」/4 科学の理想と現実の齟齬
第8章 ラボラトリー研究を超えて――結びにかえて
1 法と科学の交錯/2 科学のさらなる理解のために
An Ethnography of Forensic Science: Practices in the Forensic Laboratories of New Zealand
Mai Suzuki
鈴木 舞[スズキ マイ]
鈴木 舞
鈴木 舞:東京大学地震研究所災害科学系研究部門特任研究員
目次
第1章 科学鑑定を観る視座―ラボラトリーに分け入る
第2章 科学鑑定の現場―ニュージーランドの法科学研究所ESR
第3章 法科学ラボ内の標準化―品質保証におけるマニュアルの作用
第4章 科学の異種混合性―異なる鑑定分野はどのように協働するか
第5章 法科学分野間の標準化―DNA型鑑定が変える実践の形
第6章 法科学ラボの国際的標準化―科学鑑定の地域性への対応
第7章 法科学の「科学化」―なぜ法科学ラボの実践は標準化されるのか
第8章 ラボラトリー研究を超えて―結びにかえて
著者等紹介
鈴木舞[スズキマイ]
東京大学地震研究所特任研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は科学技術社会論、文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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