出版社内容情報
ナチュラルヒストリーとはなにか――大学,植物園,博物館とナチュラルヒストリーのさまざまな研究・教育・普及の現場を経験してきた著者が熱く語る.シリーズ刊行開始から25年,ナチュラルヒストリーシリーズ全50巻,これにて終刊! 日本のナチュラルヒストリーのさらなる跳躍に期待する.
はじめに
第1章 ナチュラルヒストリーをさかのぼる――時間軸から自然をみる
1. 1 範疇としてのナチュラルヒストリー
(1) ナチュラルヒストリーという表現
(2) 博物誌
1. 2 ナチュラルヒストリーと科学――知の創出と伝達
(1) アリストテレスの自然学
[tea time 1] テオプラストス
(2) 中世ヨーロッパにおける自然認識
(3) ヨーロッパの外における博物誌の目覚めと発展
(4) 日本におけるナチュラルヒストリー――本草・博物誌・自然史
(5) ルネッサンスと科学革命
1. 3 ナチュラルヒストリーと科学の近代化
(1) 近代科学とナチュラルヒストリー
(2) 知的活動としての科学と宗教,芸術
(3) ダーウィンとメンデル――生物科学における俯瞰と分析
[tea time 2] ラマルクと進化論
第2章 ナチュラルヒストリーを究める――生きていることを科学で解く
2. 1 生物科学とナチュラルヒストリー
(1) ナチュラルヒストリーと自然史学
(2) 自然誌と自然史
(3) 生物多様性研究の縦と横―系統(時間軸)と生物相(地平軸)
(4) 生物多様性を認識する
(5) 広義の科学と自然科学
(6) ナチュラルヒストリーの方法
2. 2 生きているとはどういうことかをナチュラルヒストリーで問う
(1) 生きものを科学する
(2) 生物学・生物科学・生命科学――科学の領域
[tea time 3] 実態と名称――種の進化と種名の変遷
(3) 生命を要素還元的に解析する
[tea time 4] 博物から生物,地学への展開
(4) 人のつくる生物学
2. 3 『文明が育てた植物たち』で生物多様性を俯瞰する
(1) 20世紀末に東京大学植物園で推進した研究活動
(2) 文明が育てた植物たち――問題の所在
(3) シダ植物の無融合生殖
(4) 無融合生殖種の所在――分類
(5) 無融合生殖型のさまざま
(6) 無融合生殖型の植物地理と生態
(7) 進化の視点でみる無融合生殖の利点と短所
(8) 生物界に普遍的な課題か
(9) 問題の拡がりと知りたいこと
[tea time 5] 植物の種名を知る意味
第3章 ナチュラルヒストリーをひきつぐ――どのように学ぶか
3. 1 ナチュラルヒストリーの教育――日本における知の継承の歴史
(1) 学校で教えること,社会がひきつぐこと
(2) 博物館等施設とナチュラルヒストリー
3. 2 自然史資料標本
(1) 自然界を代表する資料標本
(2) 資料にもとづく研究
(3) 資料標本の利用
(4) 自然史資料標本と文化財
(5) 標本に期待できること,できないこと
(6) 生物多様性の基礎研究
(7) 標本の研究と生きた材料にもとづく研究
(8) 命名上の基準標本
(9) 環境指標としての資料標本
(10) 資料標本の収蔵,維持・管理と研究
(11) 生きものを研究する――生命のもつ普遍的原理と多様な表現
3. 3 ナチュラルヒストリーとバイオインフォマティクス
(1) 生物多様性のバイオインフォマティクス
[tea time 6] IOPI(国際植物情報機構)と“Species Plantarum(地球植物誌)”
(2) 地球規模生物多様性情報機構GBIF
(3) エボデボ,進化発生生物学
[tea time 7] フンボルトのコスモス
第4章 ナチュラルヒストリーを学ぶ――生涯を通じた学習で
4. 1 日本におけるナチュラルヒストリー
(1) 大学におけるナチュラルヒストリー
(2) 科学を専業としないナチュラリストによる調査研究
[tea time 8] 日本のナチュラリストの貢献
(3) 博物館におけるナチュラルヒストリー
(4) 社会に支えられるナチュラルヒストリーの振興
4. 2 大学と博物館の協働
(1)公立博物館の組織――人と自然の博物館を例に
(2) 博物館と連携する大学院――東京大学の進化多様性生物学大講座
4. 3 地球規模でみるナチュラルヒストリーの研究
(1) 欧米におけるナチュラルヒストリー
(2) アジアにおけるナチュラルヒストリー
[tea time 9] フィリピンで活躍したコープランドのナチュラルヒストリー
(3) 地球規模のナチュラルヒストリー
第5章 ナチュラルヒストリーを展開する――いま必要なこと
5. 1 現代科学と知的好奇心
5. 2 ナチュラルヒストリーの目でみる生命
(1) 生命を科学する
(2) 生命系のナチュラルヒストリー
[tea time 10] ナチュラルヒストリーで見る死
(3) ナチュラルヒストリー=自然史
5. 3 ナチュラルヒストリーの目でみる社会――社会貢献とは
(1) ナチュラルヒストリーの文化――自然とどうつきあうか
(2) 社会の中のナチュラルヒストリー
5. 4 ナチュラルヒストリーにいま求められること
(1) ナチュラルヒストリーの調査研究
(2) ナチュラルヒストリーと社会
第6章 ナチュラルヒストリーと学ぶよろこび――まとめにかえて
6. 1 ナチュラルヒストリーと科学
(1) ナチュラルヒストリーに接する
(2) ナチュラルヒストリーと歴史学
(3) 究めると学ぶ
6. 2 学ぶよろこび,究めるよろこび
(1) ナチュラルヒストリーと学び
(2) ナチュラルヒストリーと研究
東京大学出版会のナチュラルヒストリーシリーズ全50巻
参考文献
おわりに
索 引
Natural History
Kunio IWATSUKI
岩槻 邦男[イワツキ クニオ]
著・文・その他
内容説明
自然を統合的に理解するために。大学、博物館、植物園とナチュラルヒストリーのさまざまな研究・教育・普及の現場での豊富な経験をふまえて、生物多様性、生命系などをキーワードに「生きているとはどういうことか」を問いなおす。
目次
第1章 ナチュラルヒストリーをさかのぼる―時間軸から自然をみる
第2章 ナチュラルヒストリーを究める―生きていることを科学で解く
第3章 ナチュラルヒストリーをひきつぐ―どのように学ぶか
第4章 ナチュラルヒストリーを学ぶ―生涯を通じた学習で
第5章 ナチュラルヒストリーを展開する―いま必要なこと
第6章 ナチュラルヒストリーと学ぶよろこび―まとめにかえて
著者等紹介
岩槻邦男[イワツキクニオ]
1934年兵庫県に生まれる。1957年京都大学理学部植物学科卒業。1963年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。京都大学教授、東京大学教授、立教大学教授、放送大学教授、兵庫県立人と自然の博物館館長などを経て、2007年文化功労者。2016年コスモス国際賞受賞。(公社)日本植物学会会長、(公社)日本植物園協会会長、東京大学理学部附属植物園園長などを歴任。現在、兵庫県立人と自然の博物館名誉館長・東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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