学校文化の史的探究―中等諸学校の『校友会雑誌』を手がかりとして

個数:
  • ポイントキャンペーン

学校文化の史的探究―中等諸学校の『校友会雑誌』を手がかりとして

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ A5判/ページ数 374,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130562232
  • NDC分類 376.4
  • Cコード C3037

出版社内容情報

ストライキする学生、制服と女生徒、まだアマチュアだった文豪たち――生徒は戦前の学校をどう生きたか、校友会雑誌に探る。

戦前の中等教育における『校友会雑誌』を発掘し,内容を検討することで浮かび上がる群像……ストライキする学生,制服と女生徒,まだアマチュアだった文豪たち――初等と高等,公的カリキュラムに焦点をあててきた従来の教育史の狭間を埋め,生徒たちの多彩な生を描き出す.

序 章 学校文化の探求へ(斉藤利彦)
  1 学校文化へのアプローチ
  2 学校文化の規定要因と本書の課題
  3 新たなアプローチと史料論

I 学校文化とその表象
 第1章 『校友会雑誌』にみる学校文化――表紙の変遷をとおして(斉藤利彦)
  1 『校友会雑誌』の表紙から見えてくるもの
  2 『校友会雑誌』と印刷文化
  3 表紙の変遷にみる学校文化
  4 「我々の雑誌は我々のデザインで」
  5 「外地」の『校友会雑誌』
 第2章 生徒の表現の場としての『校友会雑誌』――制約と可能性(市山雅美)
  はじめに
  1 校友会雑誌の成立と動揺
  2 校友会雑誌の編集体制の確立――教員による検閲を中心に
  3 日露戦争後の状況
  結論
 第3章 学校文化に現れた天皇(制)イメージ――『校友会雑誌』における「御大典」・行幸啓の表現から(茂木謙之介)
  はじめに
  1 想起・共有される天皇(制)――「御大典」記念号における天皇(制)イメージ
  2 接触・経験される天皇(制)――昭和戦中期青森における秩父宮表象をめぐって
  おわりに

II 学校文化における相剋の諸相
 第4章 学校紛擾における要求実現のための生徒の行動様式――同盟休校と決議文を中心に(市山雅美)
  はじめに 学校紛擾の位置づけと定義
  1 同盟休校
  2 学校紛擾の原因と生徒の要求
  3 学校紛擾における生徒たちの戦略
  結論 教師対生徒の図式を超えて――学校文化と学校紛擾
 第5章 拮抗する青年論――明治後期中学生による応答の諸相(森田智幸)
  はじめに 問題の所在と方法
  1 青年批判言説の広がり
  2 学校による「生徒管理」の強化
  3 中学生による論理の共有
  4 中学生による論理の拒否
  おわりに 学び手の声を聴く

III 校風と学校文化
 第6章 実業学校『校友会雑誌』にみる青年の社会観・実業観(井澤直也)
  はじめに
  1 実業学校「校風」育成の場としての『校友会雑誌』
  2 商業学校の実業観・青年観
  3 工業学校の工業観・青年観
  4 農業学校の農業観・社会観
  おわりに
 第7章 高等女学校の校風文化と卒業生――大正から昭和期の跡見女学校(歌川光一)
  はじめに
  1 跡見女学校という考察対象
  2 マス・メディアにおける跡見女学校
  3 在校生の身装観
  4 校風文化と卒業生
  おわりに

IV 生徒文化の多様な展開
 第8章 自伝にみる師弟関係――『私の履歴書』の分析から(稲垣恭子)
  はじめに
  1 『私の履歴書』と「先生」の思い出
  2 さまざまな思い出の語りかた
  3 各「界」における思い出の特徴
  おわりに
 第9章 近代日本の学校文化と文芸活動――『校友会雑誌』という磁場(斉藤利彦)
  1 石川啄木の場合
  2 芥川龍之介の場合
  3 萩原朔太郎の場合
  4 文学者の出発と『校友会雑誌』
  5 野間宏の場合
  6 『校友会雑誌』における文芸欄
  7 文芸活動の具体相
  8 文芸部の位置づけをめぐって
 第10章 創作活動のアジール――昭和戦前戦中期盛岡中学校『校友会雑誌』短歌欄・短歌作品の分析から(茂木謙之介)
  はじめに
  1 昭和戦前・戦中期の歌壇状況
  2 表現における規範
  3 戦中期『校友会雑誌』短歌の諸相
  4 規範としての教師
  おわりに
 第11章 高等女学校における教師と生徒による音楽活動――『校友会雑誌』上における表現を手がかりに(古仲素子)
  はじめに
  1 高等女学校における音楽の重視
  2 学校設立初期における教師の音楽に対する意識とその指導
  3 音楽活動に関する生徒の意識とその表現
  おわりに

V 帝国日本と学校文化
 第12章 大陸への修学旅行と帝国日本(井澤直也)
  はじめに
  1 先行研究と本章の位置
  2 商業学校における「満鮮(韓)支」修学旅行の端緒
  3 行商としての「満鮮(韓)支」旅行
  4 旧制中学校の「満鮮(韓)支」旅行
  5 紀行文に見る中等諸学校生の社会・文化意識
  6 「満鮮(支)」修学旅行と学校文化
 第13章 中等諸学校生徒のアジア認識の生成と相克――台北第一中学校,台北第二師範学校,京城公立中学校,新京中学校(梅野正信)
  はじめに
  1 台北州立第一中学校学友会雑誌言説にみるアジア認識の生成過程
  2 台北第二師範学校,京城公立中学校,新京中学校生徒の『校友会雑誌』にみるアジア認識
  3 アジア認識の相克,そして「揺れ」
 終章 学校文化研究の今後の課題と展望(市山雅美)
  1 学校文化を巡る対立・葛藤
  2 学校外の文化と学校文化
  3 学校文化の構造
  4 今後の課題
  5 近代日本と学校文化――学校文化と自己形成

あとがき(斉藤利彦)
執筆者紹介/索引

【著者紹介】
斉藤 利彦
斉藤利彦:学習院大学文学部教授

目次

学校文化の探究へ
1 学校文化とその表象
2 学校文化における相克の諸相
3 校風と学校文化
4 生徒文化の多様な展開
5 帝国日本と学校文化
学校文化研究の今後の課題と展望