出版社内容情報
ガーンディーが率いたインド独立運動とそれを支えるナショナリズム思想の形成に,生涯をかけた厳格な禁欲統制の実験がいかなる影響を及ぼしたのか.これまで正面から扱われることがなかったセクシャリティ認識に着目し,ガーンディーの思想と行動に新たな視角を提示する.
序 章 ガーンディーにおける性認識とナショナリズム
本研究の目的
1 ブラフマチャリヤはなぜ研究されなかったか?
2 いくつかの先行研究
3 本研究の方法・史料・構成
第1部 南アフリカ滞在期(1893-1914)
第1章 精液結集の秘術――サッティヤーグラハ闘争の誕生
はじめに
1 闘争誕生の意味
2 サッティヤーグラハとブラフマチャリヤ
3 結語
第2章 『ヒンド・スワラージ』の思想形成――三人の同時代人からの交錯する影響
はじめに
1 シュリーマッド・ラージチャンドラからの影響
2 レフ・トルストイからの影響
3 スワーミー・ヴィヴェーカーナンダからの影響
4 結語
第3章 乳汁と蛇――南アフリカにおけるブラフマチャリヤの実験
はじめに
1 乳汁放棄――ヘルマン・カレンバッハとの実験1
2 蛇の殺生(ヒンサー)――ヘルマン・カレンバッハとの実験2
3 結語
第2部 インド帰国から暗殺まで(1915-1948)
第4章 響応する身体とネーション――インド独立運動の盛衰
はじめに
1 「ヒンサーの中のアヒンサー」と生殖器官の「禁圧」
2 乳汁放棄の断念とローラット法の発布
3 非暴力の教義と外国製衣服焼却運動
4 チャウリー・チャウラー事件と性欲統制の失敗
5 結語
第5章 蛇の力――近代タントラ学からの影響
はじめに
1 刑務所出獄後(1924年以降)のブラフマチャリヤ思想
2 近代タントラ学からの影響
3 塩の行進とブラフマチャリヤの実験
4 新たな心理的葛藤――供犠
5 結語
第6章 供犠と独立――晩年におけるブラフマチャリヤの実験
はじめに
1 1933年の神秘体験
2 政治運動の個人(ヴャクティ)化
3 晩年のブラフマチャリヤの実験(大供犠)
4 供犠と独立
5 結語
終 章 「真理の実験」としての独立運動
間 永次郎[ハザマ エイジロウ]
著・文・その他
目次
ガーンディーにおける性認識とナショナリズム
第1部 南アフリカ滞在期(1893‐1914)(精液結集の秘術―サッティヤーグラハ闘争の誕生;『ヒンド・スワラージ』の思想形成―三人の同時代人からの交錯する影響;乳汁と蛇―南アフリカにおけるブラフマチャリヤの実験)
第2部 インド帰国から暗殺まで(1915‐1948)(響応する身体とネーション―インド独立運動の盛衰;蛇の力―近代タントラ学からの影響;供犠と独立―晩年におけるブラフマチャリヤの実験)
「真理の実験」としての独立運動
著者等紹介
間永次郎[ハザマエイジロウ]
1984年、イタリア・フィレンツェ生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。同大学院在学中にフルブライト奨学生としてコロンビア大学大学院総合文化研究科哲学専攻に留学。現在、東京大学大学院総合文化研究科特別研究員(日本学術振興会特別研究員PD)。アジア政経学会第12回優秀論文賞受賞。社会思想史学会第8回研究奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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