出版社内容情報
脱工業化する現代社会で,人々は文化に新たな価値を見いだしている.もともと社会の構造を再生産するものである文化の両義的な状況を現代日本社会のなかで明らかにし,宗教,教育などの在り方を含めて解明する.
内容説明
日本社会のアクチュアルな分析。人間的な価値、総合的な視野。21世紀のグローバル・スタンダードへ。差異化と葛藤の意味するもの。
目次
1 総論現代の文化研究の課題
2 若者文化の析出と融解
3 学歴エリート・教養・文化資本
4 消費社会の政治学
5 家郷解体後の宗教世界の変貌
6 日本社会におけるジェンダーの再生産
7 社会の文化的再生産と変動
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shiki Magata-ma
0
社会学の大枠は以前に小耳に挟んだ。より詳しい社会学が知りたいし、文化にも興味があったから読んだ。社会学の教科書に書かれているような地検に至るためにどのような切り口の仕事をしているのかを知ることはできた。だが、この書籍全体として、著者がいまだに昔からの教養の序列を信仰しているような記述が多く散見された。社会を分析する者がそのような偏見、誤謬に陥っていては、非常に滑稽で、嘆かわしい。社会学は書籍的教養の優位性に疑義を呈してもよかったはずだ。そうせねば、文化のより巧妙な追跡は叶わないだろう。2016/06/27