内容説明
どこにでもある学校の、ふつうのこどもの顔にも世界の豊かさを感じ取り、かかわる方法としての現象学へ。
目次
第1章 現実の生への豊かな感受性を求めて(現在の根源性;気分をともなう豊かな表情)
第2章 私と他者との豊かな関係(感情移入の豊かさと限界;他者を介した私の豊かさ)
第3章 世界の豊かな関係(身体と世界との豊かな関係;知覚と運動との一体性 ほか)
第4章 共同性の反映としての豊かな表情(向かい合いにおける反映;表情のスタイル ほか)
著者等紹介
中田基昭[ナカダモトアキ]
1948年東京に生まれる。1974年東京大学教育学部卒業。東京大学大学院教育学研究科教授を経て現在、岡崎女子短期大学特任教授、東京大学名誉教授。教育学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Seita
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表情カタログ。たくさん収録されているのはいい。おそらく著者には研究の蓄積があるのだろう。でも、展開不十分で寄せ集め感が否めなかった。たとえば、「不安」において生じているのは、忙しなく振る舞うなかにも、支えのない自分の存在を見つめなおしている落ち着きがひそむという事態である、と言われる(p.53-5)。「不安」という言葉でこんなことを考えているのはハイデガーくらいである。もちろんハイデガーの議論には必然性があるのだが、それがここで十分に展開されることはなかった。他にも様々な表情が列挙される。 2017/09/13