出版社内容情報
少子高齢化という社会の変化に注目して,機会・雇用・教育・健康といった不平等に関する諸問題を実証データをもとに明らかにする.さらに不平等論,格差論における勝ち組み・負け組みといった短絡的評価・風潮にたいして警告を発する.
内容説明
再発見される不平等。どこに格差があるのか。あなたは足もとの揺らぎに気づいていますか。
目次
序 少子高齢化にひそむ格差
1 爆発する不平等感―戦後型社会の転換と「平等化」戦略
2 不平等化日本の中身―世帯とジェンダーに着目して
3 中年齢無業者から見た格差問題
4 少子高齢化時代における教育格差の将来像―義務教育を通じた再配分のゆくえ
5 健康と格差―少子高齢化の背後にあるもの
6 遺産、年金、出産・子育てが生む格差―純金融資産を例に
7 社会保障の個人勘定化がもたらすもの―リスクシェアリングとしての公的年金
8 変化する社会の不平等
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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あくまでも少子高齢化というよりは不平等を中心にみている。格差と不平等の関係は、注意しなければならない。格差をなくすことは結果として、不平等感をもたらすこともあり、一概に格差解消を訴えることはできない。子供を必ずしも持つことが亡くなったことにより子供を準本人とすることが難しくなっただけではなく、子供が自分よりもよりよい生活になることも困難になってきている。ライフスタイルの多様化は、類型(夫婦と子供を持つ家族)から外れたものに対しての保障が難しく、より苦しい状態へと追いやってしまう可能性の指摘などが興味深い。2013/10/08