調査と権力―世界銀行と「調査の失敗」

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調査と権力―世界銀行と「調査の失敗」

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  • サイズ A5判/ページ数 324p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784130402682
  • NDC分類 338.98
  • Cコード C3033

出版社内容情報

世界最大の国際開発機関による数々の「失敗事例」の詳細な分析を通して、「調査という権力行使」が発動する現場に迫る。

世界最大の国際開発機関である世界銀行は,もっとも権威ある調査機関でもある.環境アセスメントなど,その調査の多くの「失敗」事例の詳細な分析を通して,開発をめぐる環境や住民との紛争の根源を,「権力の行使としての調査」という斬新な視点から問い直す.

はじめに
序 章 調査・権力・開発協力――「はかり」と専門家への着眼
 第1節 歴史的・社会的所産としての調査
 第2節 問い――開発協力における調査
 第3節 仮説――調査の「はかり」と「担い手」
 第4節 本書の構成

第1章 調査の研究――内容・方法・文脈・担い手のリンク
 第1節 権力の多様な概念
 第2節 調査に関する研究の整理
 第3節 本書の方向性――調査の文脈と内容の接点

第2章 調査の目的とルール――世界銀行の政策改定小史
 第1節 世界銀行を分析対象とする理由
 第2節 改訂を重ねた政策と調査
 第3節 調査を調査する仕組み
 第4節 政策不遵守の指摘が多い「成熟した」政策
 第5刷 政策不遵守を研究する意味

第3章 環境影響と調査――取捨選択される自然
 第1節 環境アセスメント政策の不遵守
 第2節 15カ国14プロジェクトの事例研究
 第3節 環境影響の事前評価と政策改善のずれ
 第4節 環境影響の調査をめぐる「改善の罠」

第4章 社会影響と調査――断片化される人々と生活
 第1節 社会配慮政策の不遵守
 第2節 13カ国13プロジェクトの事例研究
 第3節 社会影響の事前評価と政策改善のずれ
 第4節 社会影響の調査をめぐる「改善の罠」

第5章 「調査の失敗」の必要条件――「合意された事実」と対立の分析
 第1節 調査の論点
 第2節 専門家の経験値
 第3節 調査のタイミング
 第4節 調査する側の「はかり」
 第5節 所与の条件
 第6節 調査の有無をめぐる対立
 第7節 実施されなかった調査
 第8節 調査が目的を達成しない5つの理由

第6章 調査の媒介効果――異なる専門家と組織
 第1節 世界銀行の専門家を分析する意味
 第2節 開発パラダイムを推進する経済学者
 第3節「社会科学者」によるセーフガード政策の策定
 第4節 変質する「社会科学者」
 第5節 組織と専門家の共犯関係

第7章 調査に内在する権力――何が維持されているのか
 第1節 問いへの答え
 第2節 知の階層化
 第3節 権力の反転
 第4節 調査の媒介効果
 第5節 調査と統治
 第6節 罠に陥らない調査の改善

参考文献
索引(人名・事項)

【著者紹介】
松本 悟
松本 悟:法政大学国際文化学部准教授

目次

序章 調査・権力・開発協力―「はかり」と専門家への着眼
第1章 調査の研究―内容・方法・文脈・担い手のリンク
第2章 調査の目的とルール―世界銀行の政策改定小史
第3章 環境影響と調査―取捨選択される自然
第4章 社会影響と調査―断片化される人々と生活
第5章 「調査の失敗」の必要条件―「合意された事実」と対立の分析
第6章 調査の媒介効果―異なる専門家と組織
第7章 調査に内在する権力―何が維持されているのか

著者等紹介

松本悟[マツモトサトル]
早稲田大学政治経済学部卒業、日本放送協会勤務を経て、豪シドニー大学大学院地球科学研究科修士課程、東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力学専攻修了、博士(学術)。特定NPO法人メコン・ウォッチ代表理事などを歴任。現在、法政大学国際文化学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

14
調査の失敗:ある実態把握を的確に行なうことができず、調査を実施した当時者も認めた場合(ⅱ頁)。調査が実践知を捨象するのは、調査のはかりが実態把握のみならず、統治手段としての機能を備えるため。調査担い手すら枠内に組み込まれるため(30頁)。ベースラインデータ:事業によって影響を受ける前の基礎的情報(117頁)。問題は、なぜ事前調査なしに、 その支援が生計の回復や向上につながるといえるのか(255頁)。 2015/04/06

Mealla0v0

7
世界銀行は資金人材ともに一流の調査機関でありながら「調査の失敗」を繰り返している。それはなぜか。いやむしろ、この失敗によってなにが維持されているのか。本書の問いはこれである。調査そのものが政治的効果を持つが中立的だと見なされている。調査手法自体が科学知を前提しているという限界もある。よって、調査は社会の姿をそのまま映しているのではなく、あるべき社会を描き出す。たとえ調査が失敗しても、それは調査手法を改善すること、そして開発事業を要請し続ける。結果、世界銀行という組織と開発パラダイムは維持され続けるのである2023/01/02

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