出版社内容情報
本書は,資本主義市場経済を支えるための重要な仕組みである「福祉国家」の構造変化の動態を,市場論理に強く規定されているアメリカの財政・社会保障政策を中心に分析を試み,またバードン・シェアリング等に見られるコストの国際的負担の問題にも焦点をあて,それらを福祉国家の重要な構成要素として位置付けることで,より「広義の福祉国家システム」のあり様を示す.
目次
日米福祉国家における市場原理と国際的枠組を分析するための視角設定
第1部 国際比較と財政的枠組み(基軸国アメリカの軍事財政と日米福祉国家の枠組み)
第2部 福祉国家における市場論理の強まり(アメリカの公的扶助と1996年福祉改革;アメリカの社会保障年金―市場論理との関係;アメリカの住宅政策―政府関与の間接化とその帰結 ほか)
第3部 福祉国家の国際的枠組み(パクス・アメリカーナの再編とバードン・シェアリング―日本財政への国際的インパクト;パクス・アメリカーナ下の日本の軍事財政)