出版社内容情報
尖閣諸島や竹島をめぐる情勢など日本が抱える領土問題に展望を拓くため、領域概念の歴史的変遷と領土紛争解決の法理を多角的に論じた学術論集。第一線で活躍する国際法研究者を中心に、永年の課題を独自の視点から広く深く分析し、厳しさを増す領土問題に新たな示唆を導き出す。
目次
第1部 近代日本の領域確定(離島の日本領域編入―硫黄島と南鳥島を中心として;琉球帰属問題とアーネスト・サトウ―日清新聞論戦に対する評価およびその背景)
第2部 近代日本の領域的外延(日本の「植民地」獲得と法制;近代日本から見た租借概念)
第3部 領域紛争における意思・時間(領域問題における「法」に基づく主張;領域紛争における沈黙の意義―尖閣諸島に関する「75年の沈黙」の法的構成に向けて;領域紛争における時間的要素とその規律―日本の領土問題への具体的適用について)
第4部 国際裁判における領域紛争(国際裁判における「前近代/非欧州の領域支配」の援用と評価;国際裁判における領土主権紛争の存在認定―国連海洋法条約附属書7仲裁裁判所における沿岸国訴訟の利用)
著者等紹介
柳原正治[ヤナギハラマサハル]
1952年生まれ。1981年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。現在、放送大学特任栄誉教授・九州大学名誉教授
兼原敦子[カネハラアツコ]
東京大学法学部卒業。現在、上智大学法学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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