出版社内容情報
多様性を誇り、社会主義の経験をもつ旧ソ連および近隣諸国それぞれの地域が共有するものを生活世界からアプローチする。
文化的多様性を誇り,ロシア革命以後の社会主義体制の経験を共有する旧ソ連および近隣諸国.ヨーロッパ近代を念頭に構築された公共圏/親密圏の概念を手がかりに,正教,イスラームをはじめとするそれぞれの文明圏のなかの生活世界へとアプローチし,新たな地域理解へと導く.
総論 公共圏と親密圏(松井康浩)
I 日常生活と社会
1 スターリン体制下の日常生活(松井康浩)
2 顔と所有(平松潤奈)
3 総力戦のなかのムスリム社会と公共圏(長縄宣博)
II ジェンダー論
4 三人の結婚(草野慶子)
5 旧ソ連諸国のジェンダー状況(五十嵐徳子)
III 歴史のなかの家族
6 婚姻の風景(高橋一彦)
7 家族と法(河本和子)
8 現代中央アジア農村の商売と親族(吉田世津子)
【著者紹介】
塩川伸明:東京大学大学院法学政治学研究科教授
内容説明
社会主義という巨大な枠のなかで営まれる小さな日常システムに組み込まれる客体は公私の軋みを聞きながら新たな領域を創造する主体となる。
目次
総論 公共圏と親密圏
1 日常生活と社会(スターリン体制下の日常生活―交錯し、相克する「公」と「私」;顔と所有―スターリン体制下の文学にみる個人と親密圏;総力戦のなかのムスリム社会と公共圏―二〇世紀初頭のヴォルガ・ウラル地域を中心に)
2 ジェンダー論(三人の結婚―ロシア近現代文学におけるジェンダー、セクシュアリティ;旧ソ連諸国のジェンダー状況―ソ連時代からの遺産とその功罪)
3 歴史のなかの家族(婚姻の風景―帝政期の家族法;家族と法―ソ連における立法を通して;現代中央アジア農村の商売と親族―北クルグズスタンの事例から)
著者等紹介
塩川伸明[シオカワノブアキ]
東京大学大学院法学政治学研究科教授
小松久男[コマツヒサオ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院特任教授
沼野充義[ヌマノミツヨシ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授
松井康浩[マツイヤスヒロ]
九州大学大学院比較社会文化研究院教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。